令和2年6月号(第119号)     トップページ  年月別リスト 地域別リスト
菅 沼
SUGANUMA
 富山県 南砺市菅沼 南砺市HP

南砺市観光協会HP
南砺市菅沼

伝統的建造物群保存地区

 菅沼は合掌造り民家9棟を中心とした小さな農村集落であり、近接する相倉集落とともに、「五箇山合掌造り集落」として知られている。 蛇行する庄川のふところに抱かれるような場所に位置し、幾重にも重なる山々に囲まれた盆地状の秘境と呼んでもよさそうな集落である。
 昔、流刑地だったので、庄川に橋を架けることが許されなかったそうである。そのため外界との往来には庄川をまたいでかけられた小型ロープーウエイのような「かごの渡し」(現在も残されている)が利用されていたらしく、命がけの生活を日常的に強いられていたようだ。
 中世から昭和中期まで文字通り陸の孤島のような状況で生活を営んでいた集落が、昭和後期の高度成長期に入り、廃村寸前にまで追い込まれながら、その文化的遺産の貴重さが再発見され、観光的に大いに注目される存在になっている。

@集落全景 A五箇山民俗館 B雪持林と合掌民家 Cかごの渡し   
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  @集落全景  近くを走る国道156号から、こじんまりした集落の中心部分を俯瞰することができる。庄川と山々に囲まれた狭いエリアに、茅葺の合掌造り民家を中心に整然と立ち並んでいる家並みの姿が、とてもつつましく映る。
A五箇山民俗館 合掌造り民家の内部を改造して五箇山の人々の古い生活用具等が展示され、昔の生活ぶりが再現されている。妻側の屋根庇が合掌屋根と一体で葺かれているため、外観だけ見ていると入母屋屋根のように見える。

B雪持林と合掌民家  菅沼を包み込むようにぐるりと取り囲む山々は、ブナの自然林を中心とした防雪林になっていて、合掌造り集落だけでなくこの山林を含めて世界自然遺産に指定されて保護されている。豪雪地帯だけに、山林によって雪崩などの雪害から集落が守られてきたようだ。

Cかごの渡し 庄川をまたぐように、昔庄川の往来のために使われていたという「かごの渡し」が、現在、復元されて架けられている。川の両岸に、はられた綱は頼りなく、そこにぶら下げられた一人乗りのかごはきゃしゃな造りで、風の強い日などは生きた心地がしなかっただろう。