令和2年5月号(第118号)     トップページ  年月別リスト 地域別リスト
萩・堀内
HAGI-HORIUCHI
 山口県 萩市堀内 萩市HP

萩市観光協会HP
萩市堀内地区

伝統的建造物群保存地区

 

関ヶ原の戦いに敗れた毛利輝元が、西国の大大名から周防・長門の二か国に大幅減封され、心機一転、萩に居城を移して新しい城下町の建設に着手する。堀内地区は萩城の内堀と外堀の間に位置する三の丸に整備された上級武家屋敷街である。
 町人街は外堀の外側に整備されたが、現在一部をのぞいてほとんどその姿をとどめていない。城下町は一般的には、立派な造りの商家街が残されていて、武家屋敷街は衰退していたり、荒廃していたりしているものが多いが、堀内地区には広いエリアで武家のお屋敷街が残されている貴重な町である。
 長州藩は薩摩藩とともに明治維新の主役だっただけに、明治維新を舞台とした小説やドラマでおなじみの志士たち(高杉晋作・桂小五郎・久坂玄瑞・山県有朋ほか)ゆかりの地や建物が散在しているが、それらは皆、堀内地区の外側に位置しているところから、彼らは皆、上級武士ではなかったようである。

@武家屋敷街 A旧周布家長屋門 B北の総門 C菊屋家住宅   
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  @武家屋敷街 武家屋敷街は、平時は住まいだが戦時は要塞となるため、石垣や土塀と背の高い生垣で覆われていて、屋敷内の様子は外からはほとんどうかがえない。いささか単調な景観ではあるが、整然としたたたずまいに武士の心構えが伝わってくるようだ。突き当りのなまこ壁は口羽家住宅。
A旧周布(すふ)家長屋門 長州藩の上級藩士である周布家の屋敷に付属する長屋門で、江戸中期の建築という。萩市内に現存する武家屋敷の建物としては最大規模のようだ。幕末期に登場した同家の周布政之助(生家は別のところ)は、明治維新推進者の一人として活躍した。

B北の総門  城下から堀内地区の入るためには、3か所の総門(北・中・平安古)が設けられていた。3か所とも現存していないが、北の総門だけは平成に入ってから復元された。外堀にかかった土橋には白漆喰の壁に瓦屋根のかかった築地塀が設けられた珍しい景観である。

C菊屋家住宅 藩の御用商人だった菊屋家の住宅で、2000坪の敷地に主屋をはじめ米蔵や金蔵など、無数の建物が連なっている。内部の庭園も大名屋敷並みで、幕府の使者の本陣としても使われていたようだ。外堀を挟んで堀内地区の外側に隣接する商家エリアに位置し、目立つ建物だ。