令和2年1月号(第114号)     トップページ  年月別リスト 地域別リスト
津和野
TSUWANO
 島根県 鹿足(かのあし)郡津和野町 津和野町HP

津和野町観光協会HP
津和野町津和野

伝統的建造物群保存地区
 津和野は、鎌倉時代に津和野城が築かれたことにより整備された城下町である。津和野川に沿い周囲を山々に囲まれた細長い盆地状の町で、よく手入れされた町並みとともに、歩いているとホッとするような落ち着きを感じさせてくれる雰囲気が流れている。そのような空気感が「山陰の小京都」と呼ばれて都会の人々を引き付ける魅力になっているようだ。
 城下町は、南北に直線道路で貫かれ、南側は武家屋敷街で殿町通りと呼ばれ、北側は商家街で本町通りと呼ばれている。武家屋敷街と商家街とでは対照的な町並み景観を形成しており、そのことが津和野の魅力の重要な要素の一つになっているようだ。
 また、殿町通りの両側には、明治になってから水路が整備され水路幅の少し広い東側には、江戸期には武家屋敷内の庭で飼っていた鯉が放流され、白壁沿いの清流を泳ぐ鯉の群れが、津和野のシンボル的な景観になっている。
@本町通り Aカトリック教会  B殿町通り C多胡家老門   
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  @本町通り JR津和野駅を降りて歩き始めると、すぐこの通りにさしかかる。きれいに舗装された道路の両側に、よく手入れされた2階建ての古い商家が建ち並び、ここで生活する人々の端正な人柄が感じられる。左手前の「さゝや」の看板がかかる商家は、江戸時代から続く呉服商。
Aカトリック教会 昭和初期建築のゴシック風建物で、伝統的な町並みの中でいいアクセントになっている。津和野は江戸末期、長崎浦上で捕らえられた隠れキリシタンの流刑地になったそうで、明治新政府による弾圧により殉教者を出した悲しい歴史の記録が隣接する乙女峠展示室に残されている。

B殿町通り 殿町通りは上級の武家屋敷街だったところで、通りの両側には長い土塀を備えたお屋敷跡が並んでいる。明治期に土塀の足元に掘割が整備され、堀の中には鯉が放流され、花しょうぶの花壇が並んでいる。この景観が津和野を代表する風物詩となり、津和野観光の目玉になっている。

C多胡(たご)家老門 津和野藩時代、長く家老を務めた多胡家の屋敷門。屋敷本体は失われてしまったようだが、残されている門と付属建物だけでも堂々たる構えである。門に続く土塀の腰壁にはなまこ壁が施されており、殿町通りの景観に統一感を創り出している。