令和元年12月号(第113号)     トップページ  年月別リスト 地域別リスト
山町筋
YAMACHO SUJI
 富山県 高岡市木舟町 ほか 高岡市HP

高岡市観光協会HP
高岡市山町筋

伝統的建造物群保存地区
  山町筋は江戸時代初め、前田利長の手により高岡城が築かれ高岡の町が拓かれた際に、近隣の城下町から招かれた商人たちによって造られた商人町である。
 加賀藩二代目藩主だった利長は、隠居してこの高岡に移り住み、町の繁栄のために商業や工業の整備・発展に力を入れ、その後の高岡の繁栄の基礎を築いた。そのため利長は死後、壮大な伽藍を持つ瑞龍寺に祀られ、町の開祖として人々にあがめられていたようだ。
 明治に入って高岡は、町の6割を焼き尽くす大火に見舞われため、行政の指導で防火建築である土蔵造りによる街の復興が進められた。したがって山町筋に残されている土蔵造りの商家は、すべて明治期以降に建築されたものである。ちなみに「山町」の呼称は、利長から「御所車(御車山)」を与えられた10か町をそう呼んだことから始まったらしく、選ばれたエリート商家群の誇りと華やかさがを今も町並み景観に伝えられているようだ。
@小馬出町 A菅野家住宅  B富山銀行本店 C高岡御車山会館   
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  @小馬出町(こんまだしまち) 小馬出町は「高岡御車山」を継承する山町10か町のうちの一つで、旧北陸道の両側に土蔵造りの商家が並んでいる。右側家並みの奥にある旧室崎家の土蔵造りの建物は、「高岡市土蔵造りのまち資料館」として公開されている。
A菅野家住宅 菅野家は高岡を代表する豪商の一つ。本瓦葺の屋根に箱棟をのせ、壁面を黒漆喰で塗りこめた重厚な土蔵造りに加えて、一階の屋根庇を支える白い鋳物の柱にはギリシャオーダーのデザインを取り入れたり、防火壁はレンガ造にしたり、洋館の味も感じる凝った建物だ。

B富山銀行本店 大正期に建築された鉄骨レンガ造の建物。土蔵造りが連なる家並みの中で、赤レンガの様式建築が町並み景観のいいアクセントになっている。市民からは「赤レンガの銀行」と呼ばれ親しまれているそうだ。

C高岡御車山(みくらまやま)会館 国の重要文化財である御車山を展示する施設。最近建築された建物だが、高岡の伝統的な土蔵造りを忠実に再現している。内部には御所車形式の山車に、高岡の伝統工芸である金工・漆工・染織等で装飾された見事な御車山が8台展示されている。