令和元年10月号(第111号)     トップページ  年月別リスト 地域別リスト
大井宿
OHI JUKU
 岐阜県 恵那市大井町 恵那市HP

恵那市観光協会HP

 大井宿は中山道の宿場町である。町の中に桝形が6か所も設けられているという特徴あるまちづくりがされている。理由は不明らしいが、岩村城の近くに位置するので、宿場機能だけでなく、軍事的機能も重視されていたのかもしれない。
 現在の町並みには、もう旅籠はほとんど見られないが、豪商の屋敷や本陣に使われた屋敷の門などが、点在して残されていて、宿場町時代の雰囲気を味わうことができる。特に中山道と重なる国道19号線が旧市街地を大きく迂回するように整備されたので、宿場町の中を走る街道は拡幅されずに、昔の幅員のまま維持されていて、自動車通行量も少なく、のんびりと散策できる。
 JR恵那駅のすぐ近くに位置しながら、宿場町エリアはあまり都市化されず、古い遺跡を守りながら静かな住宅地が維持されているのは、地域の人々の郷土愛なのだろう。
@いち川 A明治天皇行在所  B中山道ひし屋資料館 C本陣跡   
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  @いち川 大井宿に1軒だけ残る旅籠(現在は「旅館いち川」)。江戸期には「角屋」という屋号で呼ばれていた。桝形の角地に位置していたのでこの屋号が名付けられたそうで、昭和初期に桝形道路が直線道路に整備される際、残念なことに昔からの建物は全部建て替えられてしまった。
A明治天皇行在所 旧岩井邸は、江戸から明治にかけて旅籠と商家を兼ねた町家だったようで、明治に天皇が全国巡行された際ここに宿泊されたため、玄関横に「明治天皇行在所」の石碑が建てられている。訪れた時は改修工事のため内部閉鎖中で、2020年春には、往時の外観が再現されるそうだ。

B中山道ひし屋資料館  古山家住宅は屋号を「ひし屋」と称する江戸期に繁栄した商家で、現在は江戸期の町家体験施設として内部が公開されている。立派なお屋敷なので、単なる内部公開だけでなく、文化的なイベント施設としても活用されると、建物も町並みも生かされるように思われる。

C本陣跡 旧林家住宅が宿場町時代に本陣として使われていた。主屋は昭和に入ってから惜しいことに焼失したそうで薬医(やくい)門だけが残されている。門だけで豪壮な邸宅の全体象を彷彿とさせている。