令和元年8月号(第109号)     トップページ  年月別リスト  地域別リスト 
太山寺界隈
TAISANJI KAIWAI
 兵庫県  神戸市西区伊川谷町前開  神戸市西区役所HP
 
 
 

 太山寺は、「飛鳥時代に藤原鎌足の子、定恵和尚が薬師如来を本尊として開山した。」と伝えられており、その後南北朝時代には41の小寺院(塔頭)に囲まれた壮大なスケールの寺院だったようだ。
 現在も伽藍内には、鎌倉時代以降に建築された本堂のほか、三重塔や阿弥陀堂など10棟を超える建物が残されており、またバス停近くにある仁王門から中門に至る参道には、安養院・龍象院など5塔頭が茅葺屋根など昔の面影を保ちながら散在している。
 開山当初、太山寺周辺は小高い山々に囲まれた伊川上流の渓谷地域だったようだが、今日は都市化の波が押し寄せ、ニュータウンエリアのなかの貴重な緑地帯のような存在になっている。そのため、ニュータウンの住人にとって身近なハイキングや散策スポットになっているようだ。 

 @仁王門と参道  A龍象院  B安養院 C三重塔    ←画像をクリック 
      
    @仁王門と参道 仁王門から太山寺境内の入り口にある中門までは、両側を石垣に挟まれた石畳の参道が続いている。緩やかなアップダウンのあるのどかな小路で、近くにある「なでしこの湯」の利用者やハイキング客にとって格好の散歩道になっている。
A龍象院(りゅうぞういん) 残されている太山寺5塔頭寺院のうちの一つ。石垣と背の高い生垣の向こうに本堂の茅葺屋根が頭をのぞかせている。この一角だけ切り取ってみると、どこか鄙びた田舎の民家のような雰囲気に包まれていて、とても神戸市内とは思えないのどかさが漂っている。

B安養院(あんよういん)これも太山寺塔頭寺院の一つ。茅葺屋根の書院は北区にあった江戸中期築の民家を移築したものだそうだ。ずっと以前からこの地にあったような落ち着いたたたずまいを見せている。また書院の前庭は枯山水の日本庭園で、国の名勝に指定されている。  

C三重塔 現在の太山寺境内には、国宝となっている本堂をはじめ十数棟の建物が残されている。そのなかでもプロポーションの美しい三重塔が参内者の人気をあつめ、いつ訪れても誰かが記念写真に収めているのを見かける。