令和元年7月号(第108号)     トップページ  年月別リスト  地域別リスト 
肥前浜宿2
HIZENHAMAJUKU
 佐賀県  鹿島市浜町  鹿島市HP
 
 
鹿島市観光協会HP
浜中町八本木宿

浜正津町浜金屋町

伝統的建造物群保存地区
   肥前浜宿は、室町時代に有明海に通じる浜川に沿って開けた在郷町である。江戸時代に入ってからは、多良往還と呼ばれた長崎脇街道が整備され、その宿場町としても栄えた。
 現在では、佐賀―長崎間といえば、車窓から有明海を眺めながら通過するだけの区間だが、当時は有力藩である鍋島藩と、唯一の海外貿易港をもつ長崎との間は、重要動線だったようで、浜宿は「浜千軒」と呼ばれるくらい賑わっていたようだ。
 明治になってからは、江戸期に鍋島藩から規制されていた酒造業が解禁されて盛んになり、多良往還沿いに多くの酒蔵が建ち並ぶようになり、今日の酒蔵通りに至っている。
 ところで肥前浜宿の重要伝統的建造物群保存地区は、醸造町としての「浜中町八本木宿」と港町としての「浜庄津町浜金谷町」とに分けて選定されている。厳密すぎてかえってわかりにくい。
 D光武酒造場  E呉竹酒造  F南舟津の町並み G庄金の町並み    ←画像をクリック 
      
    D光武(みつたけ)酒造場 江戸期から続く蔵元で、現在は清酒とともに焼酎も製造している。焼酎は「魔界への誘い」という怪しい名前が付けられている。左手前は、酒蔵通小公園と名付けられた観光者用のレストスペース兼防災公園で、景観も町並みにあわせて整備されている。
E呉竹酒造 主屋は、昭和初期に建築されたお屋敷風の気品ある建物。呉竹酒造は現在酒造りをしていないようだが、そのために空いた酒蔵を、コンサートやギャラリーなど、酒蔵通りのイベント会場として活用している。

F南舟津の町並み 南舟津は文字通り昔、港町だったところである。表通りから細い路地を少し入ったところに、茅葺屋根の小さな町家が3軒並んで残されていて、昔のひなびた漁師町の雰囲気が漂っている。以前は鉄板屋根で覆われていたものが、伝建地区選定により茅葺屋根が蘇ったようだ。

G庄金(しょうきん)の町並み 庄金の集落には、珍しく茅葺屋根の商家が2軒並んで残されていて、貴重な町並み景観を伝えている。手前が旧筒井家住宅で、向こう側が旧橋本家住宅。有効活用されることを期待したい。