令和元年5月号(第106号)     トップページ  年月別リスト  地域別リスト 
岩 村
IWAMURA
 岐阜県  恵那市岩村町  恵那市HP  恵那市岩村町本通り

伝統的建造物群保存地区
 恵那市観光協会HP
   岩村は、岩村城下に拓かれた城下町である。現在でこそ岩村は、中央線恵那駅から自動車で30分ばかり離れた山間の静かな小さな町に過ぎないが、戦国時代には美濃・信濃・三河の三国をにらむ要衝の地であり、この地の支配をめぐり武田信玄と織田信長とが何度も争いを繰り広げたことが歴史に記されている。
 城下町は岩村川沿いに細長く整備され、川の南側が町人町として、北側が武家町として区分されており、現在残されている町並みは南側の町人町で、東西に1km余りの細長い商店街になっている。町並みの中には、江戸や明治から続く商家も残されており、当時は東美濃地方における政治・経済の中心地だった面影を伝えている。
 またこの古い町並みの特徴を生かして、NHK朝ドラ「半分、青い」のヒロインが生まれ育った町「ふくろう商店街」として描かれたようで、町のあちこちにドラマのロケのなごりが保存されている。
 @加納家住宅  A勝川家住宅  B岩村本通り C太鼓櫓    ←画像をクリック 
      
   

@加納家住宅 中央後方の塗屋づくりの家が加納家住宅。加納家は、江戸時代に火縄銃や槍・刀などの武器を製造していた鍛冶屋職人の家。古い町並みの中に商家が残されているのはよく見かけるが、職人の町家が残されているのは珍しい。

A勝川家住宅 勝川家は屋号を「松屋」と号する豪商で江戸時代、岩村藩の木材や年貢米を取り仕切る、いわゆる御用商人だったようである。明治に入って岩村城が廃城になったため、城内にあった土蔵や長屋門蔵を、勝川家が払い下げを受けて入手し、主屋の裏に移築したそうだ。

B岩村本通り 小高い山の上に築かれた岩村城のふもとから、明智鉄道岩村駅まで続くなだらかな坂道沿いの両側に、古い町家が連なっていて、この帯状のエリアが伝建地区に指定されている。庵看板を掲げた古い商家も何軒かみられ、風格ある町並みを形成している。

C太鼓櫓 太鼓を打ち、城下に時を知らせるためにつくられた櫓で、平成に入ってから藩主邸跡に復元された。岩村城は石垣だけが残され、建物は現存していないため、城下町を見おろす太鼓櫓は、岩村城と城下町のシンボル的なモニュメントになっている。