平成31年4月号(第105号)     トップページ  年月別リスト  地域別リスト 
前 沢
MAEZAWA
 福島県  南会津郡南会津町前沢 南会津町HP

南会津町観光物産協会HP
南会津町前沢
伝統的建造物群保存地区
   前沢は、日光街道を西にそれて、曲がりくねった山道を25qほどはいったところにある40戸ほどの農村集落である。
 真偽のほどは定かではないが、昔、平家の落人部落だったといわれているのも、なるほどと思わせるような人里離れたひっそりとした佇まいの集落である。
 この集落には、曲家と呼ばれている茅葺屋根の古民家が10戸ほど残されていて、曲家集落として観光客に注目されつつある。曲家は、母屋の端部に母屋とは直交するかたちでL字型に、昔うまやだった切妻屋根の家屋がくっついた造りで、正式には中門造りと呼ぶそうである。
 このL字型のプロポーションがバランスの良い外観を創り出しており、梁や束・しょうじ・明り取り窓などともに、自然環境に溶け込んだ日本の伝統的な造りの民家の美しさが味わえる。
 @そば処曲家  A曲家資料館  B老松と曲家 C直家と曲家    ←画像をクリック 
      
   

@そば処曲家 前沢集落の入り口に、曲家を移築して設置されている。広い駐車場も用意されていて、前沢散策の観光基地的な役割も果たしているようだ。集落の中には飲食店は他にないし、自動車の乗り入れもできないので、静かな集落を観光客から守っている。

A曲家資料館  別の集落から移築され、内部は昔の暮らしぶりが再現されて公開されている。ただ、集落のメイン通路側に建物の側面を見せるように建てられており、移築なら曲家の特徴であるL字側を通路側に向けて建ててほしかった。

B老松と曲家 集落の真ん中あたりに建つ曲家の敷地の角に、盆栽仕立てのような形の良い松の木が植えられている。この老松は、伝建地区内の環境物件として保存することが指定されている。前沢の歴史を見守っているかのような樹だ。

C直家と曲家 L字型の曲家に対して、長方形型の民家は直家(すごや)と呼ばれていて、前沢集落にも曲家に混じって数件残されている。この2パターンの民家が対比して見られる場所があったのでスケッチしてみた。