平成30年10月号(第99号) |
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SORAKUEN |
兵庫県 神戸市中央区中山手通 |
神戸市HP |
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相楽園HP |
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相楽園は、三田藩の家老だった小寺泰次郎が、幕末に神戸に出てきて貿易商に転身し実業家として大成功し、巨万の富を得て築いたお屋敷の跡である。
昭和16年に神戸市に移管され「相楽園」と名付けられて市民に開放されるようになった。お屋敷内の本邸は戦災で消失してしまったが、正門や洋風の厩舎は幸い戦火をまぬかれ、広大な池泉回遊式日本庭園とともに今日まで保存されている。
さらに戦後、北野から異人館である「旧ハッサム邸」や、姫路藩主が河川の遊覧に使っていた「船屋形」が移築され、お屋敷跡全体が、文化財建築物の間を巡る庭園公園として広く市民に親しまれている。春には園内いっぱいにうえられたツツジが咲き誇り、秋には菊花展が開催されて、観光名所にもなっている。なお、戦後初の公選神戸市長となった小寺健吉は、小寺泰次郎の長男である。
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@正 門 |
A旧小寺家厩舎 |
B旧ハッサム邸 |
C船屋形 |
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@正門 明治期に建築された小寺邸時代の正門。門番が立っていそうないかめしさがある。木造でありながら戦災を免れたのは奇跡的な出来事で、現在は相楽園の正門として入園者を迎えている。
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A旧小寺家厩舎
明治末期に建築された建物で、馬房と馬車の格納庫だったようだ。レンガと御影石で構成された色彩のコントラストが美しく、端部のドームも素朴さと存在感があり、全体的にヨーロッパの牧歌的な雰囲気が漂っている。
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B旧ハッサム邸 イギリス人貿易商ハッサムの住宅で、北野にあったものを戦後、相楽園に移築した。コロニアルスタイル(平たく言えばバンガロー風)と呼ばれる様式である。住み始めて間もなく、日本の冬の寒さに耐えられず、ベランダにガラス戸を入れていたようだが、移築後は最初のかたちに戻された。
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C船屋形 江戸時代に姫路藩主が河川の遊覧に使っていた川御座船の屋形部分だけ相楽園内に移築された。江戸時代の姫路藩は歴代、酒井家はじめ徳川四天王と呼ばれるが親藩藩主が支配していた重要藩だけに、その威勢を示すため華麗で粋な御座船が用意されていたのだろう。
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