平成30年7月号(第96号)     トップページ  年月別リスト 地域別リスト
淡河宿
OGO JUKU
 兵庫県神戸市北区淡河町淡河 神戸市北区HP

淡河町まちづくり研究会HP

満月堂HP

 淡河宿は、湯乃山街道(有馬街道)沿いの宿場町である。湯の山街道は豊臣秀吉時代に、摂津方面から有馬温泉に、さらに有馬温泉から播磨方面へと向かう街道として整備され、西国街道の裏街道として盛んに活用されたようだ。
 現在の淡河は農村地帯の中で、のどかな雰囲気に包まれた一集落に過ぎず、往年の賑わいぶりはウソのようだが、街道沿いに残されている何軒かのお屋敷から、宿場町時代の繁栄を偲ぶことができる。
 近年、この古い町並みを保存する気運が地元住民を中心に盛り上がり、行政の支援も得て、住み手が不在で荒れ放題になっていた本陣だったお屋敷に修復の手が加えられ、地域のコミュニティ活動に活用されている。さらに、都市化が進む神戸市内に残された数少ない宿場町として、町並みの歴史的貴重さが見直されていくことを期待したい。

①御成門のある家 ②湯乃山街道  ③本陣跡 ④満月堂   
 ←画像をクリック  
  ①御成門のある家 町並みの中ほどに、築地塀に御成門を備えたお屋敷が残されている。塀越しに見越しの松も整えられた風格あるたたずまいで、宿場町時代には脇本陣だったのかもしれない。ただ、人が住んでいる気配がなく、だれが維持管理しているのだろうか?
②湯乃山街道 播磨方面から有馬温泉へ向かう街道で、有馬街道とも呼ばれていた。淡河宿はその途中にある宿場町だが、有馬まではあと20km程度の距離なので、もっぱら茶屋宿として賑わっていたのだろう。現在は農家風の民家が建ち並ぶのどかな町並みが残されている。

③本陣跡  江戸から明治にかけて庄屋を務めた村上家の屋敷で、宿場町のなかでは本陣としての役割も果たしていた。老朽化が進んでいたため近年、行政の手により改修され、カフェが開設されたりコミュニティスペースとして利用されたり、歴史的建築物の活用が図られている。

④満月堂 明治期に湯乃山街道沿いの淡河宿本陣前に創業した和菓子店。有馬温泉へ向かう湯治客を中心に、豊助饅頭が名物となり繁盛したそうだ。現在は南側に整備されたバイパス道路側に店舗を移転して営業を継続し、地元の人々やドライブ客などでにぎわっている。