平成30年4月号(第93号)     トップページ  年月別リスト 地域別リスト
五條新町1
GOJO SHINMACHI
 奈良県 五條市新町 ほか 五條市HP

五條市観光協会HP

ナカコ醬油HP

五條市五條新町
伝統的建造物群保存地区

  五條は、紀州街道を軸として、伊勢街道・西吉野街道・南河内への街道と4つの街道が集まるほか、吉野川の水運も加わり交通の要衝として、商業活動を中心に発展してきた町である。
 旧伊勢街道である新町通りの両側には、塗屋づくりの重厚な景観の商家が連続して続いており、1間半から2間程度の狭い道幅も、ほとんど自動車が通らないからヒューマンスケールで歩きやすく、安っぽい観光客向けの土産物店もなく、貴重な町並みが維持されている。
 沿道の建物の大半は、江戸時代からのものだそうだから、住民の町並みへの愛着が伝わってくる。近くには、山桜の名所である吉野山や、明治維新のさきがけとなった天誅組の変の舞台になった五條代官所跡もあり、見どころの多い町である。

①ナカコ醬油 ②栗山家住宅  ③鉄屋橋付近 ④まちや館   
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  ①ナカコ醬油 明治初期創業の醤油商家。新町通りの東はしで直交する国道168号に面して建っていて、伝建地区の外側に位置してはいるが、間口の広い重厚な蔵造りの外観は、古い町並みが続く新町通りの東入り口としてのシンボリックな役割を果たしている。
②栗山家住宅 江戸時代初期の建物で、建築年代が判明している日本最古の民家とされている。反りのついた大屋根が雄大で、外から見るとお寺の本堂かと、見まがうほどの堂々とした構えである。国の重要文化財に指定されている。

③鉄屋橋付近  東から新町通りに沿って歩き始めると、すぐ鉄屋橋という橋がある。街道が折れ曲がり、橋越しに見える商家群の景観が美しく、絶好のスケッチポイントである。左手前に少し見える「餅」の看板は、大正期から続く和菓子店「餅商一ツ橋」。

④まちや館 まちや館は江戸期に建築された米商家の旧辻家住宅。現在は市の管理になり、当時の町家の雰囲気を伝える施設として、内部が公開されている。戦後の幣原内閣や吉田内閣時に、各種の大臣を歴任した木村篤太郎の生家として、当時の勉強部屋も残されている。