平成30年1月号(第90号)     トップページ  年月別リスト 地域別リスト
おはらい町
OHARAI MACHII
 三重県 伊勢市宇治中之切町 ほか 伊勢市HP
伊勢市観光協会HP
赤福本店HP
おかげ横丁HP
 おはらい町は、伊勢街道の終着点であると同時に、伊勢神宮内宮の参道でもある。伊勢神宮の参拝客数は、江戸時代で200〜300万人、現在では1000万人を超えるといわれており、巨大テーマパーク並みの集客力を誇っている。おはらい町はその膨大な参拝客相手の旅籠や飲食店・みやげ物店街として繁栄した町である。
 しかし1980年代ごろからモータリゼーションの進行により、参拝客の大半がおはらい町を通らず、内宮の手前まで直接自動車でアプローチするパターンに変化したため、おはらい町の通行客は、年間10万人程度まで激減してしまった。
 この状況に危機感を抱いた地元の人々は、みやげ物店老舗の「赤福」が中心となり、行政の協力のもと、内宮への参道沿いに、江戸〜明治の町並みを再現するまちなみ景観整備事業に着手し成功させた。伝統的建造物群保存地区制度に依存せず、民間主導で古い町並みを再現させた珍しい事例である。
@五十鈴川郵便局 A赤福本店  Bおかげ横丁 Cくみひも平井   
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  @五十鈴川郵便局 新しい建物のようだが、古い町並み景観にあわせ、「伊勢造り」と呼ばれる妻入り商家風のデザインで建築されている。正面入口前には、日本最古の郵便ポストを模したポストが設けられている。
A赤福本店 左手前の金文字看板の店が赤福本店で明治初期の建物。赤福はおはらい町の町並み景観整備の中心となった企業である。このあたり、伊勢街道が緩く右にカーブしていて、連続する妻入り商家群の景観が映える絶好のスケッチポイントである。

Bおかげ横丁 おかげ横丁は、「赤福」がディベロッパーとなり、開発・整備されたテーマパーク。おはらい町のほぼ中央部に位置し、江戸から明治期にかけての伊勢路の代表的な商家が移築・再現されている。

Cくみひも平井 伊賀市で伝統工芸の「伊賀組み紐」を製造している平井兼蔵商店の伊勢内宮前店。昭和50年代の建築だが、伊勢商家の建築様式が再現されている。入母屋妻入りの堂々とした構えである。