平成29年11月号(第88号)     トップページ  年月別リスト 地域別リスト
関 宿 2
SEKI JUKU
 三重県 亀山市関町中町 ほか 亀山市HP

亀山市観光協会HP

亀山市関宿

伝統的建造物群保存地区

関宿は東海道の宿場町である。東海道53次といわれた宿場町は、今日、ほとんどその姿をとどめていないが、関宿だけは全長2km近い往時の宿場町の町並みを、ほぼそっくりそのまま残している貴重な町である。

関宿は、鈴鹿峠のすぐ東側かつ、東海道と伊勢街道との分岐点に位置する交通の要所であったため、宿場町としておおいに賑わい発展した。「精一杯」という意味で「関の山」という表現があるが、語源は、関の山車が狭い街道をぎりぎりで通る、というところからきており、その山車が往時には16台もあったということなので、町の繁栄振りが推測できる。


関宿で注目すべき点は、全国の伝統的建造物群保存地区の中で、1,2を争うような立派な町並み保存でありながら、観光路線に偏り過ぎない、観光と地元の日常生活が共存できるように町づくりをすすめているありかただろう。現地にある案内パンフにも「関宿は、貴重な文化財であるとともに生活の場でもあるので、配慮してください。」旨の注意書きがみられた。

⑤深川屋 ⑥地蔵院 ⑦地蔵院門前 ⑧新所の町並み
 
 ←画像をクリック 
  ⑤深川屋  江戸時代から続く和菓子店。「関の戸」という和菓子を370年余り、売り続けているというから、まさに「継続は力なり」だろう。塗り屋造りの2階にかけられた庵看板がその歴史と風格を伝えている。
⑥地蔵院  街道沿いに立地している地蔵院。2階建ての町並みの中で、背の高い本堂の瓦屋根が遠くからでも眺望できて、いいアクセントになっている。地蔵院だから信仰の場であるが、コミュニティスペースにもなっているようだ。

⑦地蔵院門前 左手が地蔵院で、その門前に古い旅籠が並ぶ。奥が「会津屋」で、屋根の形から想像すると大型の旅籠である。その手前が「洋館屋」。2階の窓の半分を、水色のアーチ窓に改造してあるので、この名前がつけられている。

⑧新所の町並み 新所は関宿の西側エリア。地名から想像すると、関宿の発展に伴い開発された町なのかもしれない。鈴鹿の山並みを遠望し、ゆるやかに湾曲した街道沿いに、連子格子の落ち着いた町並みが連なっている。