平成29年9月号(第86号)     トップページ  年月別リスト 地域別リスト
大内宿
OUCHI JUKU
 福島県 南会津郡下郷町大字大内 下郷町HP

下郷町観光協会HP

下郷町大内宿

伝統的建造物群保存地区

 大内宿は、会津若松と今市宿を結ぶ会津西街道(下野街道)の宿場町である。会津若松から4里半の距離なので、会津若松を早朝に出発すると、大内宿にはちょうど正午頃に到着することになるため、宿泊よりももっぱら昼食休憩のための宿場として賑わったようだ。

 また、馬継ぎ宿としての機能も重要だったようで、馬を乗り継ぎ荷捌きするためのスペースが必要だったためか、昔の街道にしては道幅が広い。

 街道の両側には、ほぼ同規模の茅葺屋根の民家がずらりと軒を連ね、壮観である。一時は皆、鉄板屋根で覆われていたようだが、重要伝統的建造物群保存地区に選定されて以降、もとの茅葺屋根に改修され、今日の町並み景観に整備された。

 その努力のかいがあって、近年では年間200万人前後の観光客が訪れるようになり、鄙びた農村集落から大賑わいの観光スポットに大変身している。

①見晴台 ②街道沿いの町並み ③町並み展示館 ④三澤屋
 
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  ①見晴台  町の北外れにある石段を登ると子安観音という社があり、その前が見晴台と名付けられた展望スペースになっている。ここからは大内宿の全貌がすっぽりと見渡すことができ、絶好のスケッチ&シャッターポイントになっている。
②街道沿いの町並み 街道の両側に建ち並ぶ茅葺屋根の民家は、そのほとんどが観光客相手の土産物店や飲食店の営業をしている。集落の主産業が、農業から観光業に切り替わり新しい活力を生んでいるようだが、この活力を持続できるのか、疑問の残る部分でもある。

③町並み展示館 江戸時代本陣があった場所に資料に基づき本陣の建物が再建され、現在は「町並み展示館」として公開されている。会津藩の初代藩主・保科正之をはじめ歴代藩主たちが参勤交代の際に、休息のため利用したそうで、千鳥破風の屋根を持つ式台を設けた大型民家である。

④三澤屋 どの茅葺民家も、街道に面して廊下がありその奥に座敷が並んでいる。この廊下部分に土産物などを並べ、店舗化している家が多い。三澤屋は別棟があってそこを店舗化しているため、この棟は昔ながらのたたづまいを残している。