平成29年5月号(第82号)     トップページ  年月別リスト 地域別リスト
大森銀山3
OMORIGINZAN
 島根県 大田市大森町 大田市HP

大田市観光協会HP

大田市大森銀山
伝統的建造物群保存地区

 大森銀山は、石見銀山の銀生産に携わる役人・労働者を中心とした生活の場として発展した鉱山の町である。石見銀山は戦国時代から大正末期まで、豊富な銀を産出したわが国有数の銀山であるため、尼子、毛利、豊臣など戦国武将による争奪の場となり、江戸時代には徳川幕府の直轄地として、山陰地方の重要産業拠点として栄えた。
 町並みは、武家屋敷・商家・鉱山労働者住宅・郷宿などが混在していたようで、谷あいに伸びる細い街道の両側に、長く連なっている。鉱山町は、通常、資源が枯渇すると一気にゴーストタウン化してしまうが、この地では、戦後まもなく町並み保存活動が取り組まれ、伝統的建造物群保存地区の指定や、世界遺産登録を経ても、観光化一辺倒のうわついた雰囲気はほとんど感じられず、落ち着いた日常生活が営まれているのには、好感がもてる。


⑨駒の足の町並み ⑩羅漢町の町並み  ⑪渡辺家住宅 ⑫高橋家住宅
 
 ←画像をクリック 
  ⑨駒の足の町並み 郵便ポストの向こう側の白壁の建物が、江戸期に建築されたもと郷宿の金森家住宅。ポストの手前が、これも江戸期の庄屋屋敷を改装した衣料&カフェの郡言堂。このあたり間口の広い商家や屋敷が建ち並んでいる。
⑩羅漢町の町並み 羅漢町は、800mほど続く大森の町並みの南端のエリア。家並みがとびとびになり、町はずれという雰囲気が漂ってくる。ここからさらに街道を1kmほど行くと、石見銀山の遺跡である龍源寺間歩に着く。

⑪渡辺家住宅 代官所に勤務する役人の居宅。外観は簡素だが、土塀をめぐらし、主屋には式台も備えた格式の高い武家屋敷の造りになっている。大森銀山の武家屋敷は、収入が良かったのか、どこも立派な造りになっている。

⑫高橋家住宅 石見銀山の遺跡として見学できる龍源寺間歩のすぐ近くにある屋敷で、江戸時代末期の建築。高橋家は、銀山師をまとめるリーダーとして代官所の役人との間に立ち、銀山経営にあたっていたようだ。