平成29年4月号(第81号)     トップページ  年月別リスト 地域別リスト
大森銀山2
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 島根県 大田市大森町 大田市HP

大田市観光協会HP

大田市大森銀山
伝統的建造物群保存地区

 大森銀山は、石見銀山の銀生産に携わる役人・労働者を中心とした生活の場として発展した鉱山の町である。石見銀山は戦国時代から大正末期まで、豊富な銀を産出したわが国有数の銀山であるため、尼子、毛利、豊臣など戦国武将による争奪の場となり、江戸時代には徳川幕府の直轄地として、山陰地方の重要産業拠点として栄えた。
 町並みは、武家屋敷・商家・鉱山労働者住宅・郷宿などが混在していたようで、谷あいに伸びる細い街道の両側に、長く連なっている。鉱山町は、通常、資源が枯渇すると一気にゴーストタウン化してしまうが、この地では、戦後まもなく町並み保存活動が取り組まれ、伝統的建造物群保存地区の指定や、世界遺産登録を経ても、観光化一辺倒のうわついた雰囲気はほとんど感じられず、落ち着いた日常生活が営まれているのには、好感がもてる。


⑤昭和区の町並み ⑥旧大森区裁判所  ⑦新町の町並み ⑧阿部家住宅
 
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  ⑤昭和区の町並み 町並みの中ほどに小高い丘の上に建つ観世音寺という寺があり、そこから大森銀山の町並みが見下ろせる。狭い谷あいに沿って、石州瓦の赤い屋根が重なり合いながら続いている景観が見事だ。
⑥旧大森区裁判所(町並み交流センター) 明治期に建築された旧大森区裁判所。明治憲法下では、地方裁判所の下に区裁判所が設置されていいた。現存する区裁判所としては珍しく貴重なものだそうで、現在は「町並み交流センター」として公開されている。

⑦新町の町並み 新町は、800mほど続く大森の町並みのほぼ中間エリア。街道の両側に平入の町家が連なり、街道を歩いていると切妻屋根の妻側の姿がリズミカルに重なり合い、美しい町並み景観を創り出している。

⑧阿部家住宅 江戸期に建築された武家屋敷で、石見銀山代官所の地役人の遺宅。複数の建物群からなるお屋敷で、その一部が旅館に改装され、「他郷阿部家」として郡言堂の手により運営されている。