平成29年3月号(第80号)     トップページ  年月別リスト 地域別リスト
大森銀山1
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 島根県 大田市大森町 大田市HP

大田市観光協会HP

大田市大森銀山
伝統的建造物群保存地区

 大森銀山は、石見銀山の銀生産に携わる役人・労働者を中心とした生活の場として発展した鉱山の町である。石見銀山は戦国時代から大正末期まで、豊富な銀を産出したわが国有数の銀山であるため、尼子、毛利、豊臣など戦国武将による争奪の場となり、江戸時代には徳川幕府の直轄地として、山陰地方の重要産業拠点として栄えた。
 町並みは、武家屋敷・商家・鉱山労働者住宅・郷宿などが混在していたようで、谷あいに伸びる細い街道の両側に、長く連なっている。鉱山町は、通常、資源が枯渇すると一気にゴーストタウン化してしまうが、この地では、戦後まもなく町並み保存活動が取り組まれ、伝統的建造物群保存地区の指定や、世界遺産登録を経ても、観光化一辺倒のうわついた雰囲気はほとんど感じられず、落ち着いた日常生活が営まれているのには、好感がもてる。


①石見銀山資料館 ②宮の前の町並み  ③青山家住宅 ④西性寺付近
 
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  ①石見銀山資料館 明治期に建築された旧邇摩(にま)郡役所の建物で、長屋門は江戸期の大森代官所時代の建物。大森の細長い町並みの入り口付近に立地しているため、町並み散策の拠点になっている。
②宮の前の町並み 代官所跡から石見銀山に向かって、銀山川沿いの谷筋に沿って街道がのび、道の両側には大森の町並みが形成されている。宮の前はその入り口付近の集落。左手前の建物は代々、大森町の年寄役を務めた旧家の熊谷家。

③青山家住宅 左手前、山陰合同銀行の奥にある切妻蔵造りの建物が青山家住宅。6軒ある郷宿(ごうやど・役人用の宿)のうちの1軒。大森の町並みには道の両側に軒を連ねる民家郡の中に、こうしたお屋敷が混在している。

④西性寺付近 銀山街道は、銀山川と交差しながら石見銀山に向かって続いている。町並みはその街道の両側に帯状に連なっている。往時は活気にあふれた町並みだったのだろうが、銀山が閉山した今は、のどかな山里風景そのものである。