平成29年2月号(第79号)     トップページ  年月別リスト 地域別リスト
真 壁
MAKABE
 茨城県 桜川市真壁町真壁 桜川市HP

桜川市観光協会HP

桜川市真壁
伝統的建造物群保存地区

 真壁は筑波山の北に位置する小さな町で、中世には400年余り真壁家が支配していた。江戸時代以降は、地の利を生かした在郷町として大いに栄えたようで、現在、その頃建築された商家を中心に、100棟余りの民家が登録文化財として認定され保存されている。重厚な蔵造りや塗屋造りの建物が多く、中には立派な長屋門を備えたお屋敷もみられ、見ごたえのある町だ。
 今日では、あまり人通りがないひっそりした町だが、残されている商家群を見ていると、往時は商売の活気にあふれた町だったことがうかがえる。最近、古い町並みを伝統的建造物群保存地区に指定し、これらの歴史的遺産を生かした新しいまちづくりへの取り組みが始まっている。

 ただ、あふれるほどの登録文化財が町のあちこちに散在していて、連続した、あるいは面的な町並み景観になっていないのが惜しい。文化財を所有する人以外の市民の町並み景観づくりへの理解が重要な課題のようだ。


①星野家住宅 ②御陣屋前通り  ③潮田家住宅 ④塚本家住宅
 
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  ①星野家住宅 明治中期に建築された乾物商の商家。藩の御用商人として栄えたそうだ。屋根瓦がしっくいで固められた重厚な雰囲気の塗屋づくりで、訪れたときは内部に古い美術品などが展示され、ミニ博物館のような利用の仕方がされていた。
②御陣屋前通り 江戸時代に真壁の支配者であった浅野家の御陣屋があったことから、その前の通りがこの名称で呼ばれている。このあたりには古い商家が通りの両側に連なっていて、伝建地区らしい雰囲気がある。

③潮田(うしおだ)家住宅 建物は明治期のものだが、潮田家は江戸時代から呉服商を営み、次第に商いの手を広げ「関東の三越」と呼ばれるまでの豪商になった。脇蔵をそなえた黒漆喰塗の見世蔵は、その呼び名にふさわしい重厚な建物である。

④塚本家住宅 塚本家は昭和初期まで酒造業を営んでいた旧家で、建物は大正期のもの。漆喰壁の蔵を中心に変化に富んだ建物構成が美しい町並み景観を創っている。現在は住まいとしてのみ利用されているようで、大邸宅のたたずまいである。