平成29年1月号(第78号)     トップページ  年月別リスト 地域別リスト
長 町
NAGAMACHI
 石川県 金沢市長町 金沢市HP

金沢市観光協会HP

金沢市老舗記念館
 金沢市長町界隈は、加賀藩時代の武家屋敷街である。前田家の重臣である長氏の屋敷があったことが町名の由来になっているそうだ。
 重臣をはじめ上流・中流階級の武士の屋敷が多かったようで、背の高い土塀と深い緑に包まれ、現在では屋敷は建て替えられて新しくなったものが多いようだが、土塀は昔ながらのたたずまいで残されている。
 周辺には高層ビルが迫ってきているにもかかわらず、この一角だけは、金沢という大都市の中心部にありながら、静かな低層住宅として維持されている貴重なエリアである。お城だけてなく、武家屋敷街や茶屋街がまとまって保存されているのが金沢の魅力だろう。
①武家屋敷跡 野村家 ②土塀の町並み  ③鬼川沿いの町並み ④老舗記念館
 
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  ①武家屋敷跡 野村家 野村家は前田利家の時代から幕末まで続いた家来の家で、現在では敷地が分割され縮小されているが、当初は1千坪の屋敷だったそうだ。曲水を配した庭園が見どころの一つで、隣接する「茶菓工房たろう」の喫茶スペースから、この庭園が観賞できる。面白い活用の仕方だ。
②土塀の町並み  長町1丁目付近は、石畳の路地の両側に高い土塀の町並みが続いている。土塀の連なりは昔の武家屋敷街の風情を強く残しており、今では長町観光の中心的エリアになっているようだ。土塀を雪から守るこも掛けが、景観のポイントになっている。

③鬼川沿いの町並み 鬼川(大野庄用水)は、江戸時代初期に犀川から用水を引きこみ築造された。灌漑や武家屋敷街の防御のほかに、物資の運搬や冬場の融雪の処理に利用されたようだ。現在は武家屋敷街のメイン道路沿いに屈曲しながら流れ、土塀の連なりとともに重要な景観要素になっている。

④老舗記念館 武家屋敷街の中にあるが、この建物は商家である。他の場所にあった藩政時代の薬舗「中屋」をこの地に移築し、商家や伝統産業の資料館として公開している。薬といえば越中富山の薬売りを連想するが、加賀でも相当盛んだったようだ。