平成28年10月号(第75号)     トップページ  年月別リスト 地域別リスト
温泉津1
YUNOTSU
 島根県 大田市温泉津町温泉津 大田市HP

大田市観光協会HP
温泉津観光案内HP

長命館HP
大田市温泉津
伝統的建造物群保存地区
 温泉津は現在、全国で100か所を超える伝統的建造物群保存地区のなかで唯一、温泉町として選定された町である。谷筋の狭い道の両側に、江戸後期から昭和初期にかけて建築された古い木造建築が立ち並ぶ。

また温泉津は、温泉津湾に面した港町でもある。特に石見銀山の外港としての役割が大きかった。そのため、2007年に石見銀山がユネスコの世界遺産に登録された際、温泉津もその一部に加えられた。加えて北前船の寄港地や、毛利水軍の拠点としても栄え、単なる温泉町ではなく、輸送拠点・商業拠点・軍事拠点としての性格も併せ持つ複合的な町といえる。

ただ、現在の温泉津は狭いエリアに古い木造建築が密集しているために、町並み整備が思うようには進んでいない。そのため豊富な歴史的な遺産が、町の魅力づくりに充分には生かし切れていないようだ。

①温泉津湾 ②内藤家屋敷  ③龍澤寺谷通り ④長命館
 
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  ①温泉津湾 海岸近くの小高い丘の上にある愛宕神社からは、温泉津湾と町並みが一望に見渡せる。日本海から深く切り込んだ温泉津湾は、湖のように海面が静かで、天然の良港として賑わった頃の様子が想像できる。
②内藤家屋敷  内藤家は毛利元就の家臣として温泉津に赴任、その後、商人に転身して廻船問屋や酒造業などを営み、豪商として400年に渡り栄えた。街道沿いに建つ屋敷や土蔵群から、往時の隆盛ぶりが感じられる。

龍澤寺谷通り  温泉街に直交して薬師湯から北側に向かって、龍澤寺に通じる路地がある。湯元に近いせいか、この路地の両側に、木造の温泉旅館がひしめいて並んでいる。古い温泉街ならではの独特の景観である。

④長命館 温泉津には、木造3階建ての旅館が現役のまま数件営業を続けている。この長命館もそのひとつ。背後の3階建ての部分は明治期の建築。傾斜地に建っているので4階建てのように見える。