平成28年7月号(第72号)     トップページ  年月別リスト 地域別リスト
柳 川
YANAGAWA
 福岡県 柳川市新外町 ほか 柳川市HP
柳川市観光協会HP

立花邸御花HP
白秋記念館HP
 柳川は城下町だが、柳川城の周囲に築造された堀が舟運の通路として商品の運送に活用され、また九州各地を結ぶ7つの街道が走る交通の要の地点でもあり、城下町として整備されたあと、商都として発展した町と理解するほうがわかりやすい。

明治期の大火により、城下町の町並みの大半は失われてしまったが、城を取り巻く堀のかなりの部分が残されたため、現在は水郷の町として、川下り舟による水郷めぐりが観光客の人気を集めている。

 歴史ある町だけに、文化財的な建築物は町のあちこちに散在しているが、連続した町並みになっているところが少ないため、訪れる人々のほとんどが川下り舟を利用しているようで、古い町並み散策を楽しむ人をあまり見かけない。せっかく歩いて心地よい水辺の路があるので、この環境を生かした町づくりが進められるのを期待したい。

①並 倉 ②立花邸御花  ③沖端水天宮 ④北原白秋生家  
 ←画像をクリック 
  ①並倉  明治から現在まで味噌醸造業を営む吉開家の倉。木骨レンガ造で、麹室として使用されていた。堀に面して建っているため川下りのビューポイントのひとつになっている。現在は中央に細い煙突が立っているが、昔は巨大なものが立っていたらしい。
②立花邸御花 柳川藩の旧藩主である立花家の別邸。もとは御花畠だったところに明治になってから伯爵邸の迎賓館として洋館等が整備され、現在はホテルとして活用されている。国の名勝に指定されており、このあたりが一番賑わっている。

③沖端(おきのはた)水天宮 沖端水天宮は沖端川から引き込まれた掘割りの入り口付近の角に位置する。舟運の守り神だったのだろう。堀側は裏側になるのだが、堀越しの景観を充分に考慮したたたずまいになっている。

④北原白秋生家 詩人北原白秋の生家は柳川にあり、酒造業を営んでいた。明治期の蔵造り商家で、現在は奥に新たに建設された白秋記念館とともに公開されている。個人的には、柳川といえば学生時代に歌った合唱曲「柳河風俗詩」の記憶から白秋をまず連想する。