平成28年2月号(第67号)     トップページ  年月別リスト 地域別リスト
内 子 1
UCHIKO
 愛媛県 喜多郡内子町内子 内子町HP

「内子さんぽ」HP
八日市護国
伝統的建造物群保存地区
 

 内子は、松山と大洲を結ぶ大洲街道沿いに発展した宿場町であり、また定期的に市が開かれていた商業町でもある。特に、櫨の実に含まれる脂分(木蠟)を抽出し、それを漂白・脱色してつくる晒蠟(さらしろう)の製造・販売により江戸後期から大正期にかけて栄えた町として特色があり、町並みはその繁栄の面影を今日まで伝えている。

 晒蠟からは和ろうそくやせっけんがつくられる。電燈がなかった時代の灯りといえば、菜種油に芯を浸して燃やす方法が一般的だが、臭いや煙があったので、大切な行事やおもてなしのときなど、高級品である和ろうそくが用いられた。内子で製造される晒蠟は、その品質の良さから、四国だけでなく京阪神や海外まで、広い販路を確保して膨大な富を築いたようである。今日まで残されている木蝋商人たちの豪邸から、その繁栄ぶりがうかがえる。

①護国の町並み ②上芳我邸  ③本芳我家住宅 ④高橋邸   
 ←画像をクリック 
  ①護国の町並み 護国は宿場町で、八日市は商家町。この性格の異なる2つの町が連なって、内子の町並みが形成されている。派手な外観の商家町側ばかりが脚光を浴びているきらいがあるが、常夜灯をランドマークとしてうまく活用した宿場側の町並みも味わいがある。
②上芳我邸 本芳我家の筆頭分家の屋敷。黄漆喰と白漆喰になまこ瓦、また妻壁には水切り瓦をしつらえ、外観は、まるで工芸品のような建物である。現在は木蝋資料館として公開されているので、中庭から、この見事な景観を眺めることができる。

③本芳我家住宅 木蠟商人である芳我家の本家で地区内に分家が何軒も散在する。芳我家の初代が独自の和ろうそく製造方法を開発したことにより、内子発展の出発点となった記念すべき建物である。妻壁の下魚に漆喰の鏝絵がしつらえられた華やかな邸宅だ。

④高橋邸 「内子聖人」と呼ばれて尊敬された明治期の教育者である高橋吉衡(よしひら)の生家で、現在は「文化交流ヴィラ高橋邸」と名づけられて、ゲストハウスとして活用されている。