平成27年9月号(第62号)     トップページ  年月別リスト 地域別リスト
生 野
IKUNO
 兵庫県 朝来市生野町口銀谷 朝来市HP
生野町観光協会HP
旧鉱山官舎HP
 生野鉱山及び鉱山町の 
 重要文化的景観
 生野は中世から昭和の高度成長期まで続いた銀山の町である。江戸時代には、佐渡金山・石見銀山と並ぶ産出量豊かな鉱山だったため天領として重視され、また明治になっても政府直轄の官営鉱山として近代化が進められ、文字どうり銀山とともに発展した町である。

 昭和48年に銀山が閉山となって以降、必然的に町は急速に衰退し、今は昼間に町中を散策していてもほとんど人を見かけないひっそりとした町に変身してしまったが、近年、江戸時代や明治時代の古い建物を含む歴史的な町並みや、鉱山遺産を生かした観光開発に力が注がれ、個性的は町として整備されつつある。島根県の石見銀山が大森の町並みとともに世界遺産に登録されたことが刺激になっているのだろう。平成26年には、生野の町並みも生野鉱山とともに、国の重要文化的景観に選定されたので、景観整備がさらに推進されることが期待できそうだ。

@生野書院 A松本邸  B宮町通り C旧鉱山官舎   
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  @生野書院 材木商だった古い商家が、郷土資料館として地元住民や観光客のために開放されている。古い町並みが残されているエリアの入り口付近の角地にあるため、ランドマーク兼観光案内所としておあつらえ向きの施設である。
A松本邸 旧松一醤油店。中央の木造洋館風建物の2階軒裏には、蛇腹の意匠が施され目を引く。大正期の建物だそうだ。その奥の商家は明治期の建物で、こちらには軒うだつがある。

B宮町通り 左の建物は、銀山を管理する公事人の宿だった「井筒屋」。現在は「生野まちづくり工房」として昔の暮らしの資料館になっている。右は旧家浅田邸の建物で、最近「口銀谷銀山町ミュージアムセンター」として整備され、地域活性化の拠点施設として活用されている。

C旧鉱山官舎 生野鉱山で仕事をするお役人用の住宅で、明治初期に建築された。時代を考えればずいぶん立派な住宅で、お役人の中でも偉い人の住まいだったのだろう。俳優の志村喬がここで生まれたそうで、記念館が設置されている。