平成27年6月号(第59号)     トップページ  年月別リスト 地域別リスト
津 山 1
TSUYAMA
 岡山県  津山市上之町 ほか 津山市HP

津山市観光協会HP
津山市城東
伝統的建造物保存地区
  津山は津山城を中心として出雲街道沿いに整備された城下町で、現在は岡山県の小さな町にすぎないが、かっては美作の中心地として隆盛を誇った町である。町並みは津山城の両側に、出雲街道と吉井川に沿って帯状に長く拡がり、見どころも散在していて、徒歩で見て回るのは大変で、観光センターで貸してくれる自転車利用が最適のようだ。
 連続した町並みとしては城東地区に良く保存されており、このエリアは最近、国の重伝建地区に指定されたので、これから順次町並み景観の整備が進むものと思われる。
 城西地区にもスポット的に見どころが散在して残されていて、特に西寺町の寺院群像が壮観である。ところで津山城は明治の初めに廃城令で解体されてしまったが、古い図面や写真を見ると、天守閣を中心に77棟の櫓をもつ壮大な城郭で、これは姫路城の61棟を上回り、残されていれば世界遺産級の遺跡になっただろうと思われるので惜しまれる。
@荒神曲がり A箕作阮甫旧宅  B作州城東屋敷 C苅田酒造   
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  @荒神曲がり 津山の町を貫く出雲街道が町並みの東端あたりで、城下町特有のあて曲げになっていて「荒神曲がり」と呼ばれている。このあたりは昔、作州鎌の鎌師たちが住む職人町で今も2軒が伝統を受け継いで鎌の製作を続けている。
A箕作阮甫(みつくりげんぽ)旧宅 江戸時代の医者であり洋学者でもある箕作阮甫の生家。建物は国指定遺跡で、解体復元され内部が公開されている。このあたりは国の重伝建に選定されて以降、景観整備が真っ先に進められたようで、町並みとして一番見栄えのするエリアである。

B作州城東屋敷  古い商家の屋敷を活用した観光客向けの休憩所。壁に「この屋敷の大溝から南は、出雲街道に面した町家の跡地であり、大溝から北は上之町の武家屋敷の跡地です。」という掲示があるが、大溝がどこなのか不明なので、よくわからない説明になっている。

C苅田(かんだ)酒造 江戸時代から続く造り酒屋で今も操業している。黒漆喰に細格子となまこ壁を配した重厚な意匠で、スケッチしているとその手の込んだ細工のありさまがよくわかる。市指定記念物になっていて、赤レンガ造りの煙突が、町並み景観のいいアクセントになっている。