平成27年4月号(第57号)     トップページ  年月別リスト 地域別リスト
笠 島
KASASHIMA
 香川県  丸亀市本島町笠島 丸亀市HP
丸亀市観光協会HP
瀬戸の宝石 塩飽本島HP
丸亀市塩飽本島町笠島
伝統的建造物保存地区
   塩飽本島にある笠島は、かって塩飽水軍の拠点となった町である。水軍の拠点といってもいかめしい要塞の町ではなく、塗屋造りのつし二階建ての町家に袖蔵を備えた商家が建ち並ぶ、いわゆる小京都風の町である。回船業によって栄え、同時に自己防衛のために水軍が育成され、両者が両輪のようになって発展していった町なのだろう。その力量が信長・秀吉・家康らに認められ、海上交通のノウハウをもって権力者に協力する代償として、塩飽諸島の島々には自治権が与えられていた。
 そのような時代背景から、塩飽本島には笠島の重要伝統的建造物群保存地区をはじめ、島のあちこちに文化財建造物が散在しているが、交通の便の悪さから、明らかに過疎の島になっていて、貴重な文化財がもったいない気がする。島の中を巡っていても、ほとんど島の人に出会うことがなく、観光客もまばらで、全体的にひっそりと静まり返っている。現在の行政区が岡山県ではなく、香川県に属しているせいか、岡山県側からの船便が特に悪いのも、過疎化を加速している一因だろう。
@マッチョ通り A真木邸  B東小路 C塩飽勤番所   
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  @マッチョ通り 「町通り」がなまって「マッチョ通り」と呼ばれるようになったそうだ。大阪では「松屋町」のことを「マッチャ町」と呼んでいるがそれと同じだろう。せまい路地が多い笠島の町並みだが、ここはメインストリートらしくゆったりした道幅で、両側に商家が並んでいる。
A真木(さなぎ)邸 島の年寄りを勤めた真木家の邸宅。現在は「笠島まちなみ保存センター」として内部が公開されている。マチョ通りと東小路とが交差する角地に建ち、町のランドマークのような存在となっている。母屋の黒漆喰と蔵と塀の白漆喰が対比的で工芸品的な趣がある。

B東小路(とうしょうじ) 東小路はマッチョ通りに直交し、東山に沿って南北に走るゆるい坂道である。両側に塗屋造りの町家が建ち並んだ過密な町並みだが、自動車がほとんど通らないので、のんびりした雰囲気に包まれている。通りがゆるやかに屈折しているのも視界に変化があっていい。

C塩飽勤番所 幕末まで、島民自治が認められていた塩飽諸島の政務を司ったお役所である。「人名(にんみょう)」(大名に対し、島民の中のリーダーがそう呼ばれていたという)のなかから選ばれた「年寄」が交代で政務につき島々を取り仕切っていた。