平成26年11月号(第52号)     トップページ  年月別リスト 地域別リスト
板井原
ITAIBARA
 鳥取県  八頭郡智頭町板井原  鳥取県HP
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智頭町観光協会HP
智頭町板井原集落

伝統的建造物群保存地区
   智頭の町の因幡街道をそれて、自動車1台分がやっと通れる山道を10分あまり走ると駐車場に出る。そこで自動車を降りて渓流沿いにしばらく上り坂を歩いて行くと、周りの山あいの谷間に木々に包まれた板井原集落が現われる。その静かでどこかなつかしいたたずまいは、秘境に出会ったような新鮮な感動がある。
 この板井原は古く平安時代から暮らしが営まれていたようだが、昭和後期から平成にかけて過疎化が急速に進み、廃村になりかけていたのを、近年この貴重な山村景観を残そうとする運動がおこり、平成16年に県の伝統的建造物群保存地区(都道府県レベルのみの指定は、全国的にはここだけ)に指定され、市民の山村生活体験を兼ねた自然文化リクレーションゾーンとして保存・整備されている。
@渓流沿いの古民家 A六尺道  B火間土 C藤原家住宅   
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@渓流沿いの古民家 駐車場で自動車をおりて渓流沿いに上り坂を歩いて行くと、最初にかなり大型の古民家が見えてくる。人が住んでいる気配はなく、杉の林に包まれてひっそりとたたずんでいる。日本中から失われてしまった山里の風景がここではひそかに残されている。
A六尺道 板井原川沿いに巾六尺の古道が集落に通じている。昭和42年に峠にトンネルが完成し板井原と智頭との間に自動車の通れる道が築造されるまで、この古道が集落と外の世界とを結ぶ唯一のルートだった。板井原が秘境のような姿で残されている理由がよく理解できる。

B火間土 集落の中ほどにある古民家が、水車で精米された米をかまどで炊いたご飯と、手づくりの田舎料理が食べられるお食事処として、日曜日のみの営業ながら来訪者のための施設として活用されている。低い石積みで区画された敷地に、岩と古木で演出された庭に味わいがある。

C藤原家住宅 集落の中でただ1軒だけ残る茅葺屋根の明治時代の住宅で、今では景観の中心的な存在になっている。周辺に萱場らしきものは見当たらないので、屋根を全面的に葺き替える時は大仕事になるのだろう。