平成26年10月号(第51号)     トップページ  年月別リスト 地域別リスト
神戸 旧居留地
KOBE
KYU KYORYUCHI
 兵庫県  神戸市中央区京町 ほか  神戸市HP
神戸旧居留地HP
 

神戸旧居留地は、明治維新当時まで小さな漁村にすぎなかった神戸が、日本を代表する国際都市に発展する原点となったエリアである。江戸末期、日米修好和親条約が結ばれ兵庫が開港地の一つに指定され、港の整備とあわせて外国人の活動地として、居留地が指定され整備されるのに伴い、明治にかけて欧米の大使館や商館が建ち並んで行った。面白いのは、通りに京町筋・江戸町筋・明石町筋等の名前が付けられ今もその名称が残されているが、これは一寒村にすぎなかった神戸が京や江戸の町のように発展するようにとの願いが込められつけられたそうである。
 現在の居留地は超高層ビルが林立するビジネス街へと変身しているが、低層部分にはファッションブランドショップやおしゃれなレストランが点在し、石造りの重厚な様式建築も残されていて、アーバンリゾート都市をめざす神戸の象徴的なエリアになっている。また居留地が手狭になっていくに従い、居留地の周辺部分に雑居地が指定されたが、そこには北野異人館街や南京町の中華街が残されており、居留地とあわせて神戸を代表する観光スポットになっている。

@15番館 A海岸通り  B38番館 C南京町   
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@15番館 明治初期に建築された当時のアメリカ領事館。当時、居留地一帯はこのような低層の建物ばかりだったのだが、現在では超高層建築群に囲まれてまるでミニチュア建築のようだ。阪神大震災で全壊したが、初期の居留地の雰囲気を残す唯一の建物として、復元された。
A海岸通り 海岸通りは居留地の南側境界線で、当時は文字通り海岸沿いの街路だった。通りにそった北側には大正から昭和初期にかけて建築された石造り風の様式建築が、今も何棟か残されている。左手前の海岸ビルは阪神大震災で全壊したが、中層部の外観が保存再現され超高層のビルに生まれ変わっている。

B38番館 昭和初期に建築されたヴォーリズ設計の様式建築。当初はシティバンク神戸支店だったが、現在は大丸百貨店の別館として、店舗になっている。玄関前の列柱が風格ある重厚な表情をつくりだしている。

C南京町 居留地が整備された頃、中国(当時の清国)とはまだ条約が結ばれていなかったため、居留地の西側に隣接する雑居地に中国人街が形成され、現在南京町として中華料理店街となっている。この一角だけが独特のごちゃごちゃ感に包まれユニークな町並み景観を作り出している。