平成26年9月号(第50号)     トップページ  年月別リスト  地域別リスト 
湯 浅
YUASA
 和歌山県  有田郡湯浅町  湯浅町HP

湯浅町観光協会HP

湯浅町湯浅

重要伝統的建造物群保存地区
   湯浅といえばすぐに醤油を連想するくらい醤油醸造の町としてのイメージが強い。もともとは中世に、熊野古道の途中にある宿場町として発達した町だが、金山寺味噌の製法が伝わり、さらにその製造過程から醤油の醸造方法が発見され、江戸時代後半から醤油発祥の町としておおいに栄えた。
 現在は醤油の製造所が激減し、また大手の醤油会社は郊外に移転してしまっているが、町並みは往時の重厚な面影を残している。熊野古道沿いは商店街に変貌してしまっているが、味噌や醤油の醸造業が集まっていたエリアは伝建地区に指定され、面的に古い町並みが保存・整備され博物館的な貴重さを感じさせてくれる町である。春先には川と海の境界あたりで、しろうおが獲れその淡白な珍味が味わえる町でもある。
 ただ、海岸に近くかつ川沿いの町だけに、南海地震による影響が懸念され、津波の被害にあわないよう祈りたい。
 
@角 長 A加納家住宅  B北町通り  C栖原家住宅   
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@角 長(かどちょう) 江戸時代後期に創業し、現在も同じ場所で操業を続けている数少ない醤油屋である。裏側には大仙掘という内堀が残されており、この堀が川から海へとつながって、醤油の材料や商品の搬出入が行われていたようだ。事業の発展に伴って、建屋が次々と増築されていった様子がよくわかる。
A加納家住宅 黒漆喰塗仕上げの塗屋造りで、簡易ながら袖うだつも備え、かなり手の込んだ建物である。大正時代の建築というから、その頃も湯浅は大いに栄えていたようだ。

B北町通り この通りが湯浅のメインストリート。醤油のほか味噌や麹など、発酵食品の製造販売を行う商家が通りの両側に軒を連ねている。間口の広い平入りの建物が多い。現在は資料館や観光客向けの休憩所に活用され、昔の町並みが維持されている。

C栖原家住宅 元は醤油の醸造販売をしていた商家で、建物は明治時代に建築されたもの。現在は住宅として住み続けられているが、昔の店舗部分が「おもちゃ博物館」として町の活性化のために活用されている。