平成26年8月号(第49号)     トップページ  年月別リスト  地域別リスト 
倉 吉
KURAYOSHI
 鳥取県  倉吉市研屋町 ほか  倉吉市HP

倉吉観光マイス協会HP

倉吉市打吹玉川

重要伝統的建造物群保存地区
   倉吉は城下町として開発されその後、倉吉絣や農機具の商いで発展した。打吹山(うつぶきやま)に城が築かれその裾野に、城の外堀を兼ねた運河である玉川がひかれて、その玉川沿いに舟運を利用した商家が建ち並んだ。それらの商家が建てた土蔵が今も数多く保存され、飲食店や工芸品展に衣替えして、多くの観光客を集めている。
 近くに関金温泉や羽合温泉など多くの温泉地が立地しているので、温泉旅行の途中に立ち寄る物見遊山の観光地として格好の場所になっている。観光客の増加に比例して、重伝建地区のエリアも拡大され、町並み整備も進められて、白壁土蔵群以外にもいくつもスケッチポイントがあり、通過交通も少なくゆっくり町歩きを楽しめる。
 町並みの保存・活用と観光振興が相乗的・効果的に進められている典型的な町だが、その結果、地元の住人と観光客が交錯した雑然とした町並みになってきているという印象は否めない。
@白壁土蔵群 A研屋町付近  Bぎゃらりぃ和  C旧国立第三銀行倉吉支店   
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@白壁土蔵群 玉川沿いに商家の土蔵が連なって残されており、この景観が倉吉の一番のウリになっている。玉川がサービス動線なので、商家町にとってこの通りは裏動線なのだが、いまではすっかり表通りに変身している。それにしてもこの狭くて浅い玉川での舟運は窮屈だったことだろう。
A研屋町付近 川の右手が研屋(とぎや)町。昔、刀研ぎを商いとする町家が並んでいたそうだ。川の左奥は魚町。おそらく魚屋が集まっていたのだろう。どちらの町も今はその面影は全く失われているが、町名で近世の町家の雰囲気が伝わってくる。

Bぎゃらりぃ和 旧日本産業貯蓄銀行倉吉支店として、昭和初期に建てられた倉吉初の鉄筋コンクリート造の建物で、ファサードは全面的に様式建築のデザインが取り入れられている。前面の道は昔の表通りでありながら、このあたり空き地が目立ち始めているのが気がかりだ。

C旧国立第三銀行倉吉支店 蔵造りの木造2階建ての建物だが、玄関ポーチだけ洋館風にアレンジした明治建築である。大工さんの設計らしいが、斬新なデザインになるよう思い切り腕をふるったのだろう。ちなみに国立第三銀行はその後、安田銀行→富士銀行→みずほ銀行へと変遷する。