平成26年7月号(第48号)     トップページ  年月別リスト  地域別リスト 
勝 山
KATUYAMA
 岡山県  真庭市勝山  真庭市HP

真庭観光連盟HP

 
 

勝山は太鼓山の南に拡がる城下町だが、出雲街道と旭川に沿って発展した在郷町でもある。特に岡山から旭川を高瀬舟で遡る舟運による交易業は、勝山に多くの富をもたらしたようだ。旭川の対岸から町並みを眺めると、川沿いに高瀬川発着場跡が並んでいるのが見える。

また、旭川と平行して走る町家筋には、その豊かな財力で築かれた商家の町並みが、今も残されている。それらの商家の玄関には、一軒ごとに異なったデザインで染め上げられたのれんが架けられていて、町並みに彩りを添えている。現在は林業が町の経済を潤しているようで、町全体がおちついた静かなたたずまいに包まれている。

@旭川沿いの町姿 A旧河本醤油店  B旧渡辺邸  C酒蔵辻本店   
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@旭川沿いの町姿 商人たちにとって町家筋を表通りとすれば、旭川沿いは商品を出し入れするサービス動線である。白壁の蔵が建ち並び旭川に係留してある高瀬舟に降りる石段が何箇所か残っている。しかし当時より芦川の水量が激減しているようで、石段を降りたところは草地になっている。
A旧河本醤油店 このお店は現在、草木染めの工房になっていて、町家筋沿いの家々の玄関に架けられているのれんはこの工房で製作されているそうだ。つし2階の間口の広い平入りの商家で、背後には旭川との間に、かっての醤油工場らしき白壁の大きな建物が控えている。

B旧渡辺邸 三浦藩の家老だった渡辺氏の邸宅で武家屋敷はこの一軒だけが残されており現在、武家屋敷館として公開されている。これは裏側からの眺めである。土蔵が漆喰ではなく土壁のままで、その姿に味わいがあるのでスケッチしてみた。

C酒蔵辻本店 「御前酒蔵元 辻本店」とあるので江戸時代はお殿様への献上酒を製造していたのだろう。町家筋沿いに建つ袖蔵の窓扉には鏝絵がしつられてあり、街並みに華やかさを演出している。この蔵の並びや向かい側はすべて辻本店関連の建物らしく、その繁栄ぶりがうかがえる。