平成25年11月号(第40号)     トップページ  年月別リスト  地域別リスト 
柳 井
YANAI
 山口県  柳井市柳井古市 ほか  柳井市HP

柳井市観光協会HP
柳井市古市金屋
伝統的建造物群保存地区
 

 柳井は瀬戸内海交易の拠点港として、また柳井縞と呼ばれる木綿の絣の織物をはじめ、菜種や綿花からとれる灯油の集散地として発展し、江戸時代にはその経済力の豊かさから、“岩国藩のお納戸”と呼ばれていた。その頃の町並みが部分的にではあるが残されていて、それらの古い商家群は、おそらく伝建地区に選定されて以降、景観改修されたのだろう、真新しい瓦屋根と白壁の商家が連なる家並みとして整備され、重厚で端正な表情を見せている。1階の軒下には地元の民芸品である金魚ちょうちんがずらりと吊り下げられていて、のどかな雰囲気と彩りが添えられていて面白い。伝建地区のなかには、伝建地区エリアは立派に景観保存されているが、一歩地区外に出れば雑然とした町並みに激変してしまうというところが少なくないが、柳井の場合、周辺地区も整然とした美しい町並みが連続している。伝建地区の景観を、町全体の景観創造に生かしている貴重な事例だろう。

 @佐川醤油蔵  A白壁の町並み  B旧周防銀行 Cむろやの園    セピア色の画像をクリックして下さい。
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@佐川醤油蔵 甘露醤油は柳井縞とともに柳井を代表するの特産品の一つである。江戸時代から製造が始まり、隆盛期を経て今日では製造業者が激減しているが、伝統は受け継がれている。佐川醤油は明治創業以来、現在も操業を続けている貴重な蔵のひとつであり、蔵の内部は「甘露醤油資料館」としてその一部が公開されている。
A白壁の町並み 「白壁の町並み」と呼ばれているこの通りには、柳井が商都として繁栄していた頃の面影を濃く残す塗屋造りの妻入り商家の家並みが、ずらりと並んでいる。街路の側溝には、裏側を流れる柳井川から上がってくるのだろう、小さなさわがにがいて子供たちが歓声をあげていた。

B旧周防銀行 白壁の塗り屋造りの家並みが連なる通りの一角に、洋館の明治建築が残されている。旧周防銀行本店で、現在は「町並み資料館」として、伝建地区を中心とした、昔の町並み模型が展示されている。

Cむろやの園 江戸時代の油商「室屋」の建物が、現在「商家博物館むろやの園」として公開されている。妻入りの正面は狭いが、敷地の奥行きが100m以上もある広大な広さで、現存する商家建築としては最大規模という。柳井の繁栄を象徴する建物である。