平成25年10月号(第39号)     トップページ  年月別リスト  地域別リスト 
上賀茂
KAMIGAMO
 京都府  京都市北区上賀茂  京都市HP
京都観光Navi
京都市観光協会HP
京都市上賀茂
重要伝統的建造物群保存地区
 

 上賀茂は上賀茂神社の神官たちの屋敷が、明神川沿いに連なるお屋敷街である。上賀茂神社の中を流れる楢の小川(境内を出ると明神川と呼び名が変わる)沿いに涼しげに建ち並んでいる。ちょっと特殊な居住者構成の町だが、それと知らなければ、清流沿いの静かな落ち着いた住宅街という印象で、上賀茂神社に参詣した人たちが散策を楽しんでいる。もう屋敷の庭でみそぎをする習慣はなくなっているのだろうが、

「風さそう 楢の小川の 夕暮れは  
          みそぎぞ夏の しるしなりける」

と詠まれた小倉百人一首の歌そのままに、みそぎの音が聞こえてきそうなさわやかさがある。

 @神馬堂  A明神川沿い  B藤木社 C井關家住宅    セピア色の画像をクリックして下さい。
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@神馬堂(じんばどう) 創業が明治5年の上賀茂神社の入り口にある焼き餅の店である。のれんをくぐると店頭で高齢のおじいさんが黙々ともちを焼いていた。建物も人も年季が入っている。寅さんシリーズの第29作「寅次郎あじさいの恋」でもちょっと顔を出している店である。
A明神川沿い 川沿いに建ち並ぶ宮司たちの屋敷には、みそぎのための水を庭にひきこむ取水口と排水口があり、確かにみそぎをしていればその音が歩いている人にも聞こえてきそうな静かな町並みである。

B藤木社(ふじきのやしろ) 上賀茂神社をでて東に流れてきた明神川が南に屈曲するポイントに祀られているほこらである。背後に樹齢500年といわれている楠木の巨木が茂っている。おそらく楠木への自然崇拝が先で手を合わせているうちにほこらが祀られたのだろう。町並みのいいランドマークになっている。

C井關家住宅 井關家住宅も上賀茂神社の神官の住宅であるが、現在「いせき」という看板をあげた匂い袋を売る店として営業している。玄関の奥の屋根の上に望楼のような方形の部屋があり目を引く建物だ。この部分は明治期に増築されたそうだが、本体は江戸後期の建築である。