平成25年6月号(第35号)     トップページ  年月別リスト  地域別リスト 
太 田
OTA
 岐阜県  美濃加茂市太田町  美濃加茂市HP
美濃加茂市観光協会HP
太田宿中山道会館
 

 
 太田宿は、目の前に木曽川を控えた中山道の宿場町である。木曽川には昭和の初めまで橋がかけられていなかったので、太田宿は渡し場への滞留基地として旅行者にはもちろん、軍事上も物流上も重要な役割を果たしていたようである。江戸時代の名残をとどめている脇本陣の建物は、勇壮なうだつを上げ往時の繁栄を伝えている。現在は街道の北側に21号線が整備され、旧中山道沿いは静かな町並みのなかに、宿場町の面影をのこしているが、大河ドラマ「篤姫」が放映されたとき、皇女和宮が東下りをしたルート上の町として突然脚光を浴び、観光客が押し寄せたようだ。現在はそのブームもさり、もとの鄙びた町並みを取り戻しているが、祭りの後のようなさびしげな雰囲気が漂っているのは否めない。安易な観光ブームに依存した町づくりをめざすと、一時的な賑わいに終わってしまいかねないから要注意だ。




 @本陣門  A脇本陣  B辰巳屋・永楽屋 C旧小松屋    セピア色の画像をクリックして下さい。
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@本陣門 本陣の表門で、残念ながら屋敷の方は取り壊されていて、門の奥は広い更地になっている。屋敷ごと保存されていれば、向かいの脇本陣や隣接する酒蔵とあわせて重厚な町並みが楽しめたと思うので惜しい気がする。 
A脇本陣 右側の瓦屋根が母屋で、左側の銅板葺屋根が隠居家。ともに国の重要文化財に指定されている。隣接して最近、太田宿中山道会館が建設され、太田宿散策の中心的エリアになっている。 

B辰巳屋・永楽屋 街道の両側にはこの2軒のように昔、旅籠だったと思われる町家が物販店に模様替えして残されている。こういった町家は町並みとして維持されてこそ価値があるのだろうが、そこここに更地が目につくのが気になるところだ。

C旧小松屋 江戸時代に建築された旅籠ということだが、塗屋造りに袖うだつを備え、連子格子のファサードは商家の雰囲気である。大正以降に旅籠からたばこの元売り店に転業したということなので、その時に外部も改装されたのかもしれない。