平成25年5月号(第34号)     トップページ  年月別リスト  地域別リスト 
篠 山
SASAYAMA
 兵庫県  篠山市河原町ほか  篠山市HP
丹波篠山観光協会HP
まちなみアートフェスティバル丹波篠山HP

篠山市篠山

重要伝統的建造物群保存地区
 

 篠山は丹波の核になる町として、徳川幕府が力を入れて整備した城下町である。正方形の堀で囲まれた城を中心に、東と南が武家屋敷街、西の篠山街道沿いが町人街と、町割りではっきり区分され、その両方が現在でもしっかり残されているのは珍しく貴重である。武家屋敷は敷地は広いが建物は茅葺屋根の質素なつくりなのに対し、商家は敷地は狭いものの瓦葺の屋根に漆喰塗の壁には水切り瓦をあしらえた豪華な造りのものが並んでいて、身分と経済力が逆転している様子が如実に見てとれて面白い。重伝建地区に指定されてから急速に町並み整備が進められたようで、何年かぶりに訪れたところ、みちがえるように綺麗になっていたのには驚いた。




 @武家屋敷群  A西坂家住宅  B鳳凰会館 C妻入り商家群    セピア色の画像をクリックして下さい。
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@武家屋敷群 武家屋敷がお城の西側と南側に配置されているところをみると、西国大名たちからの攻撃を警戒していたのかもしれない。現在は静かな住宅街になっているが、広い敷地と古い建物の維持が困難なためか空き地が目立つのが気になる。

A西坂家住宅 昔の醤油店で、妻入り住宅ながら広い間口をもち、その繁栄ぶりがうかがえる。ひさしを兼ねた水切り瓦には鬼がわらも載っていて、機能よりも富を誇示するための意匠中心の外観で、これは妻入り商家の多くに共通していて、その結果華やかな町並みを形成している。

B鳳凰会館 明治初期の銀行建築で、妻入り商家群のなかでは珍しい平入りの町家である。袖蔵も備えていて、商家の趣きで銀行には見えないけれど、明治の前半はこういう感覚だったのだろう。これが明治後期に建っていれば明らかに洋館になっていたと思われる。

C妻入り商家群 妻入商家が連続する町並みを斜め横から眺めると、リズミカルでダイナッミックな景観が楽しめる。昔のままの街道がゆるやかにカーブしているので、町並み景観を鑑賞するのに具合がいい。直線オンリーの現代都市の道では期待できない楽しみだ。