平成24年12月号(第29号)     トップページ  年月別リスト  地域別リスト 
美 濃
MINO
 岐阜県  美濃市魚屋町 ほか  美濃市HP
 

美濃市観光協会HP

美濃商工会議所HP
美濃市美濃町

重要伝統的建造物群保存地区
 

 美濃は美濃紙と呼ばれる和紙製造の集散地として栄えた町である。和紙の商いで豊かになった商人たちは、その誇りの象徴としてうだつを立ち上げ、それが競争になったらしく町全体がうだつの家並みとなっていて壮観だ。うだつは始まりとして防火壁のためといわれているが、この町の様子を見ていると、当初の機能的な目的は後退し、富と格式の誇示として店の正面玄関を飾る意匠であることが一番の目的であることがわかる。うだつが造られた年代が下がるごとに、その意匠が豪華で派手になっていることからも、他家よりも趣向を凝らして自分の家が目立つように、と意気込んだ商人たちの心意気が伝わってくる。現在の町並みの中にも、美濃紙を使ったモダンな照明器具やインテリア用品を販売する店があり、単なる古い町とは一味違った町歩きの楽しさがある。

 @川湊灯台  A大石家住宅  Bうだつの町並み C小坂家住宅    セピア色の画像をクリックして下さい。
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@川湊灯台 長良川は美濃にとって重要な流通経路であり、町から徒歩10分程度のところに上有知(こうずち)湊が設けられていた。そこに川には珍しい灯台が建てられている。今では木々の緑に包まれ、昔の賑わいを懐かしむように、ひっそりと長良川の流れを見下ろしている。

A大石家住宅 この家のうだつは、鬼がわらや懸魚がついてより装飾性が増している。正面から見ると、鳥が大きく羽を広げた姿を連想させる優雅さがある。この視覚的効果がうだつの見栄えを競い合う大きな要素なのだろう。

Bうだつの町並み このあたりが美濃の町のメインストリート。道の両側にうだつの上がった商家の家が建ち並ぶ。平入りの町家が連なっていると、軒の線が一直線になって単調になりがちだが、うだつがリズミカルな景観をつくっている。

C小坂家住宅 小坂家住宅は間口の広い造り酒屋で2階の軒先には杉玉がかかり現在も営業中である。間口の両側にはむくりのついた豪華なうだつがあがり、ずらりと並んだうだつの中でもひときわ目を引く。