平成24年10月号(第27号)     トップページ  年月別リスト  地域別リスト 
佐 原
SAWARA
 千葉県  香取市佐原  香取市HP 
水郷佐原観光協会HP
佐原商工会議所HP
小野川と佐原の町並みを考える会HP
香取市佐原

伝統的建造物群保存地区
   佐原は、利根川の支流である小野川沿いに発展した商都である。江戸時代、江戸と東北方面とを結ぶ流通経路は、房総半島を回る海路と、江戸川から利根川を経由する川路との2経路があったが、川路のほうがずっと安全で利用しやすかったようだ。
 そういう背景から、利根川の近くに立地していた佐原は、東北方面の農産物や海産物を大消費地である江戸へ供給するための流通拠点として、それまでの農村集落から飛躍的な発展を遂げた。その繁栄ぶりは今も残る重厚な意匠の豪商の町家や蔵が連なる町並みから伝わってくる。
 また佐原は、幕末に精巧な日本地図の作成に成功した伊能忠敬を輩出した土地でもあり、小野川沿いに旧宅が史跡として保存されている。商都としての発展に伴って学問や文化も大いに隆盛したのだろう。
 @正文堂書店  A正上醤油店  B伊能忠敬旧宅 C旧三菱銀行佐原支店    セピア色の画像をクリックして下さい。
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@正文堂書店 明治時代の書店建築で、重厚な蔵造りに1階の屋根庇の上には工芸品のような看板が載っている。鉄骨に張りぼてづくりの昨今のブックストアと較べて、本の持つ重さと軽さが建物に如実に表れているようだ。

A正上醤油店 切妻2階建平入りの母屋の隣に袖蔵を備え、店の前の河岸には荷物の出し入れに用いる「だし」が造られていて、往時の賑わいが目に浮かぶような佇まいだ。現在はワカサギをいかだのように串刺しにして佃煮にした「いかだ焼き」を販売する店になっている。

B伊能忠敬旧宅 伊能忠敬は17歳のときに佐原の商家・伊能家の養子となり50歳になるまで佐原に居住していた。隠居したあと江戸に移り住み、その後有名な実測日本地図の作製に取り組んだ。佐原では醸造業を営んでいたが、生業の傍ら、測量の技術を独学で身に付けたらしいから驚く。

C旧三菱銀行佐原支店 大正に建築されたレンガ造りの建物で、ヨーロッパ調のデザインでありながら重厚な木造商家が連なる町並みに、充分になじんでいる。工芸品的な外観を持つ建物は、混在していてもあまり違和感はないようだ。