平成24年9月号(第26号)     トップページ  年月別リスト  地域別リスト 
倉 敷
KURASIKI
 岡山県  倉敷市本町 ほか 倉敷市HP 

倉敷市観光情報発信協議会HP
倉敷市倉敷川畔

伝統的建造物群保存地区
 

 倉敷は江戸時代天領で幕府の代官所が置かれていたが、実質的には堺と同様、有力な町衆たちが中心となり町を治める自治都市だった。その結果、倉敷川沿いを中心に流通拠点として商業が発展し、倉屋敷が建ち並んだことから「倉敷」という名前が生まれたといわれている。米や海産物とともに江戸時代後期からこの地方で盛んになった綿花栽培による綿製品も重要な集荷物の一つであり、明治になって倉敷紡績所が設立され、さらなるに町の繁栄に貢献した。現在、倉敷紡績所跡はアイビースクエアとなり、大原家の洋館が美術館に衣替えし、古い町並みとともに文化的な魅力が加わり岡山県一の観光エリアになっている。倉敷市は人口50万人に近い大都会だが、その中心部に都市化の波におし流されず低層建築物だけの古い町並みが、広域なエリアにわたって保存されているという貴重な現状を見ていると、自治都市の伝統も受け継がれているというソフトウエアの遺産も感じることができる。

 @有隣荘  A考古館  B本町 C東町    セピア色の画像をクリックして下さい。
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@有隣荘 大原家の別邸で、設計は伊藤忠太、内外装デザインは児島虎次郎、庭園は7代目小川治兵衛というオールスターキャストで建築された。大原家はブランド志向だったようだ。緑とオレンジのまじった瓦が、白壁の町並みに異彩を放っている。

A考古館 江戸時代の蔵が改装され、博物館として公開されている。玄関前を流れる倉敷川にかかった石橋とのとりあわせが雰囲気のある景観を構成していて、NHKの朝ドラ「カーネーション」でも昭和初期の時代背景に使われていた。

B本町 本町には、国重文の井上家住宅をはじめ、木造つし2階建の町家がずらりと軒を連ねている。倉敷川沿いの蔵の行列とは一味違った落ち着いた町並みが続いていて、整備されすぎた印象が強い倉敷川沿いの町並みとは対照的で面白い。

C東町 古い町並みゾーンの東端になるが、市重文の楠戸家住宅を中心に町並み整備が進められつつある。古い商都が伝統的な町並みを生かした町づくりのエリアを拡げ、新しい商都に再生しつつあるのを感じる。