平成22年11月号(第4号)     トップページ  年月別リスト 地域別リスト
妻籠宿
TSUMAGOJUKU
 長野県 木曽郡南木曽町吾妻 南木曽町HP

南木曽町観光協会HP

南木曽町妻籠宿
伝統的建造物群保存地区

 妻籠は日本の古い町並み保存運動の先駆けとなった町である。過疎化が進行しゴーストタウン化しかけた危機を乗り越え、今や日本有数の観光スポットとして脚光を浴び、古い町並みがよみがえった。
 昔の宿場町として保存・整備されているところは全国各地にもみられるが、そのほとんどが宿場町というよりも、在郷町と呼んだほうが適切なような商家の町並みで、妻籠のような旅籠が続く町並みが保存され活用されている事例は珍しい。その珍しさを生かして、古い町並み保存=観光による活性化、という手法を成功させた先導的な町といえるだろう。
 ただ、観光バスを連ねて観光客がどっと押し寄せ、サッと引き上げていくテーマパーク的な賑わいはいささか興ざめで、観光客が目立たない朝夕のほうが、昔の鄙びた木曽路の宿場町の風情が味わえる。
 

①脇本陣奥谷付近 ②桝形と常夜灯  ③寺下 ④大妻籠宿  
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  ①脇本陣奥谷付近  左手前2本の石柱の奥に国の重要文化財に指定されている脇本陣奥谷がある。このあたりには、うだつのあがった構えの立派な建物が目立ち、宿場の中心的なエリアだったらしい。昔の宿場にも、ファーストクラスとエコノミークラスの色分けがある程度あったのかもしれない。
②桝形と常夜灯 桝形は軍事目的のために直線路をわざわざかぎ型に屈折させて通行と見通しを悪くさせたものだが、石垣と常夜燈が配置されたこの町並みを見ていると、景観にも配慮したあとがうかがえる。

③寺下 妻籠の寺下地区は歴史的な町並み保存運動の出発点となったところ。馬籠は瓦屋根の建物が並んでいるが、妻籠では昔ながらの板葺屋根を残している家が少なくない。今風の奇抜さやてらいは全く見られない代わりに、歴史と風土に深く根ざした落ち着きがある。

④大妻籠宿 妻籠まであと少しというところにこじんまりした大妻籠宿がある。旅籠の数は少ないがうだつのあがった立派な構えの建物が続き、豊かな集落だったことがうかがえる。地名に、妻籠の頭に大をつけたあたり、経済的優位性を暗に誇示しているのかもしれない。