平成22年10月号(第3号)     トップページ  年月別リスト 地域別リスト
杵 築
KITSUKI
 大分県 杵築市北台、南台 杵築市HP

杵築市観光協会HP

 杵築は、別府湾を背にして建つ杵築城の西側に整備された城下町である。高台に武家屋敷町、谷筋に商家町と分けて町割りされ、高台に配置された武家屋敷の多くが、今日でも残されているのが特徴である。
 谷筋を挟んで、北台武家屋敷町と南台武家屋敷町が向かい合い、谷筋からそれぞれの武家屋敷町へ広い石畳の坂道が整備されているため、ダイナミックな町並み景観を形成していて、「坂道のある城下町」と呼ばれている。
 高台の武家屋敷街は急な坂道のお陰で自動車社会の浸食から免れ、国東半島の穏やかな風土に包まれた静かなたたずまいを残しており、散策していて気持ちがいい町並みだ。
 谷筋の商家町は、真ん中を走る道路の拡幅整備にあわせて、古い町並み景観を残す事業が進められているようで、これが完成すれば、武家屋敷町と商家町の両方の面影を残す、全国的にも珍しい貴重な城下町になることが期待される。


①勘定場の坂 ②藩校の門  ③酢屋の坂 ④中根邸  
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  ①勘定場の坂 杵築城と北台武家屋敷町を結ぶ坂道で、当時はこのあたりに収税や金銭出納を扱うお役所があったので、この名で呼ばれたそうだ。坂道から杵築城を遠望でき城下町らしい町並み景観である。
②藩校の門 江戸時代の藩校である学習館の「藩主御成門」が保存され、現在でも杵築小学校の校門として子供たちを迎えている。単に施設の一部が活用されているというより、歴史や精神も受け継がれているのだろう。

③酢屋の坂 北台武家屋敷町と谷筋の商人町とを結ぶ坂道で、南側には、南台武家屋敷町と商人町とを結ぶ志保屋の坂と向かい合っていて、「坂道のある城下町」杵築を代表する景観を形成している。酢屋・志保屋(塩屋)は坂道の入り口にある商家の商いからきている。

④中根邸 中根邸は杵築藩家老中根氏の隠居宅。茅葺屋根の質素な雰囲気の屋敷だが、敷地は広大で日本庭園が整備され、内部には茶室も設けられており、優雅な隠居生活がしのばれる。