平成22年9月号(第2号)     トップページ  年月別リスト 地域別リスト
室 津
MUROTSUI
 兵庫県 たつの市御津町室津 たつの市HP

たつの市観光協会
御津支部HP

 室津は、瀬戸内海航路による海路と、西国街道による陸路の接点の宿場町として、奈良時代のころから整備されたという古い歴史を持つ。
 特に江戸時代に入ってからは、参勤交代のために江戸に向かう西国大名の大半が、瀬戸内海を船で移動し、室津で上陸して陸路東へ向かうというルートをとったため、室津千軒といわれるほどの大賑わいをみせたようである。
 現在、その頃の賑わいはすっかり影をひそめ、地方の小さな漁港の町にすぎないが、昔の商家が何軒か残されており、かっての繁栄の姿を偲ぶことができる。今日
の貿易港は広大なコンテナヤードにクレーンが林立する殺風景な光景にすぎないが、ここ室津では、海と山に挟まれた町と港の人間味ある景観が残されており、いにしえの賑わいを想像しながら、のんびりとした町歩きを楽しめる港町である。
①室津港と町並み ②室津海駅館  ③室津民族館 ④大通りの町並み  
 ←画像をクリック 
  ①室津港と町並み 静かな入り江の中にぎっしりと漁船が係留され、その背後にすぐ町並みが迫っている。室津のように港と町並みが一体化し風景は今や貴重な存在だろう。単なる町並み保存ではなく、港と町並みの一体化した景観として保存・活用を考えるべきなのだろう。
②室津海駅館 江戸から明治にかけて回船問屋として活躍した「嶋屋」の町家が、海の宿駅として栄えた室津の歴史資料館として公開されている。このスケッチは町家の裏側、つまり海側から描いたものだが、つい最近まで手前の防波堤あたりまでが海だったそうだ。

③室津民族館 かっての豪商「魚屋」が民俗資料館として活用保存されている。山と海の間でひしめき合うように民家が建ち並んでいるなかで、この建物は広い間口を確保し、総2階本瓦に虫籠窓や連子格子を備えて堂々と構えている。室津繁栄の象徴のような存在である。

④大通りの町並み 江戸時代、このあたりが町の中心エリアだったらしい。大名が宿泊する本陣も普通の宿場町では一軒か二軒だが、ここでは六軒もあったらしい。ただ、すべて取り壊され今では石碑が残されているだけなのが残念だ。