平成22年8月号(第1号)     トップページ  年月別リスト 地域別リスト
有 松
ARIMATSU
 愛知県 名古屋市緑区有松 名古屋市HP

有松桶狭間
観光振興協議会HP
 名鉄名古屋本線の有松駅を降りて南へ数分歩くと、旧東海道沿いに昔の重厚な商家が建ち並んだ美しい町並みに出会う。この町並みは旧東海道の有松宿で、江戸から数えて39番目の池鯉鮒(ちりゅう)宿と40番目の鳴海宿の間に、追加で設けられた茶屋宿である。
 すぐ近くに桶狭間の古戦場があるから、宿場町が整備される以前は、ずいぶん辺鄙なところだったのだろう。この小さな宿場町が、立派な町並みに発展したのは、何か特徴をだそうと、旅人への土産物として絞製品の製造・販売を始めたことに由来する。
 これが大ヒットし、有松絞としてブランド化に成功した。街道筋に何軒もの絞商家が、重厚な外観を持つ店を構え、その町並みが今日まで受け継がれている。時代が変わって、大都市名古屋の一部に組み込まれながら都市化の波に飲み込まれず、これだけの風格ある町並みがよく残ったものだと感心する。
①岡家住宅 ②竹田家住宅  ③服部家住宅 ④有松・鳴海絞会館  
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  ①岡家住宅 江戸末期に建てられた絞問屋を営んでいた商家。現在は住居としてのみ使用されているようである。東海道が緩くカーブする部分の外側に沿って広い間口をもって建つ平入塗屋づくりの建物なので、よく目立つ。
②竹田家住宅 屋号を笹加という名の絞問屋。これも江戸期の建物のようで、黒漆喰の塗屋づくりの主屋に脇蔵を備え、重厚な雰囲気が伝わってくる。内部には茶席も設けられているそうだ。

③服部家住宅 屋号が井桁屋という名の有松を代表する絞問屋で、現在も絞製品を扱う商いを続けている。建物は江戸中期の建築というから200年以上経過している。屋根には見事なうだつが上がり、袖蔵と見越しの松を備えた格式高い構えである。

④有松・鳴海絞会館 絞の歴史資料や技術を伝えるために設けられた。2階では地元のおばあちゃんが、年季の入った指さばきで黙々と絞の技術を披露してくれている。