2015年5月8日に久しぶりにニュータウン見学に行ってきました。今回は明舞団地です。
明石市と神戸市垂水区にまたがる団地で1964年から入居開始となっています。人口は約1万人、197haの開発です。千里ニュータウンの初めての入居が1962年からですから、それに並ぶ古い団地で、高齢化が進み、団地再生の問題でもたびたび取り上げられています。
JRの朝霧駅からバスは比較的多く出ており、乗車時間もセンターまで5分もかかりません。駅前からの立地は良好で、歩いた感じでも戸建住宅需要は十分に高いものがあると感じました。問題は公的住宅の割合が多く(県営・県公社・UR)、しかも賃貸住宅が多いため、容易に更新が進んでいない点にあるように思われます。
団地の骨格は樹木も生い茂り、中央の幹線からの住区計画も明確で、一見するとよい団地であると感じられますが、いかんせんセンターやサブセンターがさびれており、これら公的住宅の再編こそが重要であると感じました。 |
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当日のルートは朝霧駅からまず北センターに行き、多聞台を歩くことからはじめました。神陵台から南多聞台を歩き、昼食はセンター地区の中華店に入り、その後、松が丘公園を抜けて明石市側の松が丘、朝霧公園を通って帰ってきました。 |
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明舞団地へのアクセスはJR朝霧駅からバスで数分です。JRの反対側は海浜が開けており、明石大橋の景色もよく、気持ちのよいところです。 |
駅前のバスターミナルは改造工事中ですが、バスの利用者も(平日で高齢者が多いものの)そこそこの乗車率です。 |
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団地を性格付ける公的集合住宅団地は、増築されたものや外壁塗り替えをしたものも多く、決してうらさびしい状況ではありません。 |
しかしながら公社やURが民間市場で競争するには、階数の上では家賃低減を宣伝することになります。確かに5階までの階段アクセスは厳しいでしょう。 |
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戸建住宅地は敷地が丁度半分くらいになり、建売住宅へと変化しています。歩く途中でも相当多くの敷地分割から建売住宅へと転化していました。 |
オープン外構が主流となっていますから、変化した敷地はすぐにわかります。旺盛な新築需要があることがわかります。 |
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空き家がある程度みられる住宅地もありましたが、売れない状況ではないため、何らかの形で空き家のまま放置されているのでしょう。 |
このような空き地化したもの事例は多く見かけませんでした。とはいえ道路幅員が大きいため、隣家への影響は比較的少ないかもしれません。 |
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須磨ニュータウンほどには起伏が大きくないのですが、当初の擁壁のうえに敷地を貼りだして、最大限に庭を広くした事例は随所にみられました。 |
外周道路沿いにガレージを築造した事例で、水路の防護柵を取り払い、そこに橋をかけて進入路を設けています。さすがに少数事例です。 |
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研究者・実務家の間で期待されたタウンハウスでしたが、増築・塗りかえや手入れの不十分さで、当初の整然とした美しさは見る影もありません。 |
これも別のタウンハウス地区ですが、個々の増築や塗り替えにより昔の面影はありません。タウンハウスの検証をする 時期にはいったのでしょう。 |
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秀味街と名付けられた食堂街ですが、シャッターが閉じられた店もあり、中華店も近隣の高齢者が来ているだけという状況でした。 |
センタービル2階にまちなかラボがあり、団地再生に一役買おうとしていますが、センターのにぎわいはなく、住宅地の再生こそ必要かもしれません。 |
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センタービルの対面にあるコンボックス明舞です。1Fのピーコックこそ高齢者の姿はあるものの、センターの魅力を作りだすまでには至っていません。 |
朝霧サブセンターとなっていますが、床屋さんをのぞいて店の営業はありません。北センターもこれほどではありませんが、活性化とは程遠いものです。 |
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