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  トイプードルの病気

  トイプードル特有の病気があります


 特に多い病気
  膝蓋骨脱臼(パテラ)、prcd−PRA (進行性網膜委縮症)、 皮膚疾患、てんかん

 比較的多い病気
  眼瞼内反症、白内障、停留睾丸

 たまに見られる病気
  椎間板疾患(ヘルニア)、
  レッグ・パーセス(ペルテス)、
  外耳炎




*食欲が極端に無くなった時は、何らかの要因で体調を崩している可能性が高いですので、食べ残しの量や水分の摂取量をチェックして下さい。
また、女の子の場合、ヒート前やヒート時は食欲が落ちるときが良くあります。

*排泄物は何よりものバロメーターになります。日頃の健康時の状態をしっかりチェックしておくことが重要です。 便に異常が見られた時は、便を持参し獣医に見てもらいましょう。



トイプードルの寿命は約12年〜15年で他の大型犬と変わりません。
しかし、人と比べ短い命ですので、毎日を充実させた幸せな日々を送らせてあげて下さい。
(彼らは飼い主を選べません)



  トイプードルの膝蓋骨脱臼(パテラ)について


トイプードルは色々な犬種の中でも特に膝が弱い犬種です。

先だって行ったある有名ペットショップでは、全てのトイプードル達の値札のところに 「膝がゆるい」 と表記されていました。
この 「膝がゆるい」 とは、トイプードル特有の膝蓋骨脱臼のことで、脚の膝の関節が一時的、または常時外れてしまっている状態のことをいいます。一般的には「パテラ」と呼ばれています。

トイプードルの約9割以上の子がこの 「膝蓋骨脱臼」 だと言われています。
トイプードルに限らず、小型犬は厳密に検査すると100%正常という子は稀なほどです。
(ショップによっては、軽度なレベルは正常として販売されています)
原因は、先天性の疾患であったり、日々の、生活上の問題であったりしますが、経験上では、生活上の問題がトリガーになっているケースが非常に多いです。
膝のお皿を納める溝が浅いため、構造的にとても外れやすく、人の脱臼と同じように一度外れると癖になってしまう傾向があります。

このパテラは、グレード1〜グレード4 で症状のレベルが区分けされていますが、最も重い症状(グレード4)になると、かなり痛みもあり、歩行が困難になってしま う為、動物病院での手術が必要となります。

比較的体重の重い子は、膝に負担が掛かかりやすいので、症状が軽いうちに、まずは、生活上の問題を一つずつ解決してあげてください。

生活上の問題点とは・・・

*滑りやすい床や、堅い床などでの歩行を出来るだけさけること

*高いところから飛び降りないこと

*硬い床や、地面でジャンプさせないこと

 等々です。

サプリメントとして、グルコサミンを毎日与えることも有効かと思います。
また、骨格そのものを丈夫にする為に小魚等、適度なカルシウムを摂取させることも良いと思います。
膝の軟骨の両サイドにある筋肉が左右アンバランスになってしまっていることも原因の一つでもあるようですので、やはり、毎日の適 度な運動も大切です。 
成犬になり、しっかり筋肉が付くと、ほとんど外れなくなることもあります。

毎日の散歩や運動がなかなか出来ない場合は、悪いほうの脚の屈伸運動を1日400回行う方法もあるようです。
トリミングに来られるお客様でトイプードルの子もたくさんいるのですが、やはり、この 「膝蓋骨脱臼」 の子が多いです。



 prcd−PRA  (進行性網膜萎縮症) とは・・・


トイプードルや、ミニチュアダックスフンドなどに多い、遺伝性の眼疾患です。
網膜の細胞が進行的に変性し、網膜血管が壊死していく原因不明の遺伝性疾患です。
最終的には、完全に失明に至ります。
障害物にぶつかる、動いているものを目で追わなくなる、目の前の物に気づかない等が典型的な症状として知られていますが、進行性のため飼い主も気付かない ケースもあります。

PRAの発症時期は、個体差にもより早い子で数ヵ月、遅い子で5歳以降とまちまちです。
発症してしまうと、現在の獣医学では完治は不可能と云われております。

近年、PRA発症の遺伝子が発見され、遺伝子検査(DNA検査)で、その個体の遺伝子変異検出が可能になりました。
これに配慮した交配を行うことによって、子孫にPRAの遺伝子を残さないことができます。
全てのブリーダーが、これを徹底することができれば、将来PRA発症を根絶することも可能です。

将来、国内全てのワンちゃんがPRAで苦しむことのない日が来ることを願いつつ、まずは、当犬舎からは1頭もPRA発症の子を出さないブリーディングを徹底していきたいと、そう強く思います。




・ノーマル(クリア)→ PRA発症の危険性は生涯ありません。

・キャリア → PRA発症はしませんが、キャリア同士の交配で25%、アフェクテッドとの交配では50%の確率でアフェクテッドが産まれてきますので、交配相手は、 ノーマル(クリア)以外交配してはいけません。 また、キャリアは、アフェクテッドへの橋渡し役ともなりますので、できるだけキャリアを減らしていくことがPRA根絶 への重要なプロセスとなります。

・アフェクテッド → 高確率で、PRAを発症します。 とても可愛そうですが、将来完全に失明する可能性が極めて高いです。 アフェクテッドを絡む交配、繁殖は絶対にしてはいけません。


 トイプードルの低血糖症

子犬の低血糖。これに陥るケースはホントに多いです。対処法は難しくないのですが、子犬の様子に気が付くのが遅れたり、適切な処置が遅すぎたりすると、最  悪、死に至ります。
低血糖はトイプードルに限ったことではないのですが、生後約3か月位までの小型犬の子犬は、ちょっとしたことが原因で低血糖になってしまいます。 飼い主の十分な注意と知識をつけておきましょう!



 低血糖症になる原因
何らかの疾患、またはストレスによって食事をとらないことにより、
体内の血糖値が下がってしまい、低血糖症に至ります。
遊びすぎ等によって、著しく体力を消耗した時や、下痢や嘔吐を繰り返すのも
低血糖症を引き起こす原因となります。



 症状
・急に元気がなくなる
・フラフラしている
・いつものフードを食べない
・舌に血色がない
・痙攣を起こしている
・ぐったりしている


 対処法
すぐにブドウ糖を飲ませます。
なかなか飲まない場合は口の中に含ませるだけでも構いません。
ブドウ糖がない場合、砂糖水(砂糖2:水8)を飲ませます。
はちみつやガムシロップでも代用できます。

通常は、すぐ(数分後)に、元気になりますが、なかなか回復しない場合は、直ちに病院で診てもらって下さい。
回復後はフードを与えて、しっかりと栄養を補給しましょう。
その後は、体温を下げないように暖かい場所で安静にして下さい。

 子犬の腸内に生息する原虫について


犬や猫、ウサギ、フェレット等、小動物のほとんどの腸内には、ジアルジア、トリコモナス、コクシジウム等の、いわゆる原虫が潜んで おります。
この原虫は、生物顕微鏡でないと見ることができないほど小さな真核単細胞の微生物です。

これら原虫は経口感染により体内に潜入し、腸の細胞内に棲みつきます。
感染源は、原虫(シスト)が付着した糞等を直接食したり、原虫(シスト)が付着したハエの伝搬でも感染します。

日常のお散歩時や、ドッグラン、ドッグカフェ等でも気が付かないうちに感染してしまっているケースもありますので、現実的には、ほとんどのワンちゃんはすでに原 虫を保有しているといって過言ではありません。

100%感染を防ぐには、生後すぐに完全隔離をする必要があります。しかし、これではそれ以外の弊害のほうがはるかに多く現実的ではありません。

これらの原虫は、健康時は腸の細胞内に潜んでおり、ほとんど活動していない為、生活には全くの影響を与えません。 また、成犬になると、基礎免疫力に抑えら れ、ほとんど発症することはありません。

しかし、抵抗力の弱い子犬において、環境の変化による緊張やストレス、栄養の摂取不足、脱水症状、低血糖症等により、一旦、体調を崩してしまうと、腸内の環 境バランスが一気に崩れ、カンピロバクター(悪玉菌)の増殖に伴うように、細胞内に潜んでいた原虫が、腸内に下りて活性化し、下痢や血便を引き起こす要因になってしまいます。  【 俗 に日和見感染(*)といわれております 】

1週間前後の駆除薬投与で、症状は改善いたしますので、信頼できる動物病院で早めに治療を受けて下さい。
 
原虫駆除は、腸内で活動している時の薬剤投与が最も効果があります。
症状が現れた時に徹底的に駆除してください。


* 日和見感染= 健康な状態では症状が出ない病原体(弱毒微生物・非病原微生物・平素無害菌など)が原因で発症する感染症



  子犬のトイレのしつけ方

子犬が我が家に来て、何よりもまず覚えて欲しいのは、「トイレ」です。

子犬のトイレの教え方にも色々な方法がありますが、最も合理的で、成功率も高いトイレのしつけ方の1例を次にご紹介いたします。



1)子犬用のケージは、「子犬が充分就寝できるスペース + トイレのトレイがすっぽり入る」サイズを用意してあげます。

2)最初はケージの中にトイレトレイは置かずに、「トイレシート」をケージ一面に敷きつめます。

3)ケージの真ん中あたりに、子犬がようやく越えれるくらいの高さの「仕切り」をこしらえ、左右のスペースを作ってあげます。
我が家では、「L字型の本立て」を仕切りにしています。

4)子犬は、徐々に左右どちらかの一方にトイレを多くするようになってきますので、トイレ側に仕切りを寄せて、スペースを徐々に狭く            していきます。(トイレの場所は子犬自身に決めさせます)

5)子犬がほぼ、決まった場所でトイレをするようになったら、そこでトイレトレイを設置します。

6)トイレトレイに慣れたところで、仕切りを取り外します。



*この方法をしっかり習得してくれれば、子犬をケージの外に出した時でも、ちゃんとケージのトイレに戻って用を足してくれるよう
になります。 
また、トイレトレイが用を足すところだと完全に学習してくれたら、ケージの外にトイレトレイを出しても、子犬はそこで用を足してくれるようになります。


もし、失敗しても、絶対に怒らないでください。
子犬がウンチやオシッコの行為事態がいけないことだと、間違った受け取り方をしてしまいます。
失敗を繰り返すときは、前のステップに戻って、ゆったりとしたやさしい気持ちで取り組んであげてください。 そして成功したら褒め てあげてください。 
ワンちゃん にとって飼い主の笑顔は一番の宝物です。
そうすると必ず覚えてくれますよ。