9月


23日
葛飾北斎(1760〜1849)江戸時代後期の浮世絵師

江戸本所割下水(現在の東京都墨田区亀沢)に生まれました。幼いころから物の形を移す癖があったといい、少年時代に木版彫刻を学びながら、七色唐辛子などを行商し、その日その日を過ごしていました。

19歳のとき当時役者絵で人気の高かった勝川春章の門に入って浮世絵を学び、また狩野融川、俵屋宗理、住吉広行らからも画法を学んでいます。司馬江漢の西洋風の銅版画法も研究し、中国の画法も学んだ。そして日本、中国、西洋の画法のそれぞれを取り入れて、北斎風といわれる画風を作りあげています。

版画家として、1779年には、勝川春朗の名で浮世絵師としてデビューをはたし、以降約15年の間、勝川派の絵師として活躍しました。

旅行好きで、よく各地に出かけていましたが、これは彼が風景画を書くのに大変役立ちました。広重が自然のままに描いたのに対し、彼は自然を自分の思うように変化させて描いています。人物画では、人物の活躍する姿をとらえ、表情の豊かな、いまにも動き出しそうな絵を描いています。彼の絵は、ヨーロッパに渡り、ゴッホ・セザンヌ・ドガなどの画家に大きな影響をあたえました。代表作の「富岳三十六景」は世界的に有名です。

彼は90才の生涯の全てを絵に費やしましたが、死を前にして次の言葉を残しています。

天が私にあと十年の時を、いや五年の命を与えてくれるのなら、本当の絵描きになってみせるものを。(葛飾北斎最期の言葉)
数年前、アメリカの「ライフ」誌が世界のあらゆる分野のなかから、この1000年間に最も偉大な業績を残した100人は誰かというアンケートをしたとき、日本からは唯一、彼だけがランクインしたのです。彼は本家本元の日本より、むしろその評価は、古くから欧米で熱狂的なほど高く、今なお賞賛の声は衰えることを知らないそうです。


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