9月


21日
H.G.ウェルズ(Herbert George Wells)(1866〜1946)イギリスの小説家、評論家。

イギリスのケント州ブロムリーに生まれました。

子供の頃足を折って入院していた時、たくさんの本を読み、そこから文学への興味が生まれたといいます。後に服地屋の店員から身を起し、ロンドンの理科師範学校に進学しますがそこで、ハクスリーに出会い、この大生物学者から大きな影響を受けています。「ドクターモローの島」などはやはり、このハクスリーとの出会いが生み出した作品といえます。

1895年彼は最初の作品「タイムマシン」を発表します。この本は、相当な評判となり、このあと1895年「ドクターモローの島」、1897年「透明人間」1898年「宇宙戦争」と、わずか4年の間に次々と名作を世に送り出しました。

そして、第一次世界大戦前夜である1913年に執筆、翌年に刊行された彼の「解放された世界」は、まだ原子力が現実のものと考えられなかった時代に、のちの第2次世界大戦における原子爆弾の惨害を「予言」したものとして、しばしば引用されています。

彼は、第一次世界大戦中、世界初の「反原爆運動」を行いましたが、その行為は周囲には理解されませんでした。なぜなら、そんな兵器はまだ彼の小説の中にしか存在していなかったからなのです。

彼はたった一人「自分はなんてことをしてしまったのか」と悔恨の念にとらわれ、まだ存在さえしていない核兵器の廃絶と、国際連盟のシステムなども発案し、世界の破滅を回避するあらゆる試みに着手したのです。

しかし、皮肉なことに、彼のその小説に強い衝撃を受け、生物学者の道を捨て核物理学者へと転身したレオ・シラードは、やがて核分裂における「連鎖反応方式」の発明を行い、アインシュタインを口説き落とし、マンハッタン計画をルーズベルトに承知させることに成功したのです。

彼は原子爆弾が日本に投下されたされたことを知ってすぐの、1946年に亡くなりました。
解放された世界
世界戦争における原子爆弾の使用を1950年代とし,それがパリやロンドンなど世界各国の大都市に投下された結果、各国の都市機能、政治機能が完全に麻痺し、旧来の「国家」が崩壊、世界共和国が実現するまでの物語
彼のズの友人アーネスト・バーガーは、「時代と青春」という本の中で、彼のことをこう回想しています。

 第二次大戦が勃発後の1941年、ボヘミアの百科全書家コメニウス訪英300年記念を祝うレセプションがケンブリッジ大学で開かれましたた。その席でわたしはH.Gに会った。彼はひじ掛け椅子にぐったり身を沈めていた。それで彼に「体の具合はどうだい?」と尋ねた。「いや、とても悪いんだよ、バーガー」彼はそう答えた。「そうか、で、おまえさん、いまそこで何を書いてたんだ?」そう聞くと、彼はこう答えてメモをよこした。「自分の墓碑銘(エピタフ)を書いてたところだ、簡単なやつだ」見るとそれにはこう書いてあった。

God damn you all: I told you so.(くそったれ、言わんこっちゃない)と
H.G.ウェルズの「宇宙戦争」は火星人が地球に攻めてきて大パニックになるSF小説ですが、オーソン・ウェルズはこれをごく普通の番組を放送している最中に臨時ニュースの形で火星人が襲来してあちこちの都市を攻撃している、という話を流す方式で構成しました。「どこどこの都市が襲撃されました」「詳しい情報が入りましたらまたお伝えします」そのような緊迫したニュース原稿が読まれたようです。

番組の最初には、ちゃんとこのことは断っていたのですが、途中でラジオを付けた人たちの一部が、ほんとうに火星人の来襲があったものと思いこみ、全米でパニックが起きました。


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