8月


17日
ピエール・ド・フェルマ(Pierre de Fermat)(1601〜1665)フランスの数学者

地方のフランシスコ修道会の学校で最初の教育を受け、その後法律を学びました。1631年オルレアン大学から法学士の称号を得て、ツールーズの地方議会に勤めて、1634年に顧問官になり、役人としてこれといった逸話もなく、平穏な生活を送りました。

しかし、彼は仕事の暇をみては 趣味で数学の研究をしていました。しかも、当時の数学で最も重要な問題に挑戦し、数論の創始者として数学史に名を残したのです。彼はデカルトと並んで17世紀前半における最大の数学者の一人で、数学における アマチュアの王様でした。そして当時の専門の数学者で誰一人として彼以上の発見や貢献をした者はいなかったのです。

しかしフェルマは非常に謙虚な人物であったためか事実上何一つ出版せず、自分の結果は手紙で友人に伝えたり、自分の読んだ本の中に書き込んだりしていました。フェルマの書いた手紙は今日の学術雑誌のかわりになっており、当時の人はフェルマの成果をよく知っていたそうです。

しかし、使用した数学記号が古かったために、同時代の数学に与えた影響はそれほど大きくなかったともいわれています。おもな業績には、デカルトと独立に解析幾何学の発見、微分積分学の発見への貢献、パスカルとの文通から確率論の創始、整数論の研究 (フェルマの小定理、大定理) 、フェルマの原理の発見などがあります。

彼の名前を、現代でも有名にしているものに「フェルマの大定理」というものがありますが、これは、整数論についての自らの研究成果を、愛読書の「算術」(著者は,三世紀のギリシャの数学者ディオファントス)の余白に書き込んでおり、その中に「素晴らしい証明をみつけたが余白が狭すぎて書ききれない」と書いてあり、これが後の人々を大いに悩ます問題で本当につい最近やっと解決されました。
定理の内容は、ご存じのように、n を3以上の自然数とするとき、
Xn + Yn = Zn について、( n は乗数、つまり X の n 乗と考えてください)

(1)これを満たす自然数 X、Y、Z は存在しない。

(2)XYZ≠0 である整数解は存在しない。

というものです。

1995年、イギリスの数学者 A.ワイルズが一般のnについて証明し、350年以上にわたり世界の数学者を悩ませた問題はついに解決しました。
今日の確率の基礎を創った人として、フェルマとパスカルの名前は数学史に輝いています。
そのきっかけとなったのは、フランスの貴族ド・メレ・タラップがギャンブル(とばく、かけごと)に熱中していて、どうしても勝ちたいと当時の大数学者パスカルに必勝法を研究させたことからです。
パスカルは必勝法を考えて、ド・メレに手紙を書きました。この研究はフェルマとの手紙の交換でさらに発展し、今日の確率論を築くことになります。


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