8月


2日
三浦梅園(みうらばいえん)(1723〜1789)江戸時代中期の思想家。

豊後(大分県)に生まれました。年少の頃から自然現象に関心をもち、20歳の頃には中国の星学(天文学)の書を読み、天球儀を作って思索、研究にふけったといいます。また中国の古典に親しみ、「易」を愛読し、仏教の本も広く読みました。

30歳の頃、人間の主観とはまったく独立した、天地の間に条理があることを悟り、一種の宇宙論ともいわれる「玄語(げんご)」を著しました。条理というのは、いまの言語でいう論理・数理・物理・倫理などのことです。ほかに、「贅語(ぜいご)」(原理論の実際的展開)「敢語(かんご)」(道徳説および経世論)「価原(かげん)」(近代的な貨幣論)等の著作があり、特に「贅語」「敢語」「玄語」は「梅園三語」と呼ばれています。また、長崎に遊学して蘭学の知識をも吸収していきました。

藩主や、他の多くの大名からも仕えるように要求されましたが、かたく断り、ヨーロッパの科学思想に触れるために2度長崎へ旅行したほかは、ずっと故郷の村にとどまり、研究に没頭しました。また、詩文をよくし、書いたものは高く評価されています。著書にはほかに「帰山録」「詩轍」などがあります。

優れた人格から、豊後聖人と称されています。


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