5月 31日 |
ウォールト・ホイットマン(Walt Whitman)(1819〜1892)アメリカ 詩人 ニューヨーク州ロングアイランドの貧しい農家に生まれました。4歳のときにブルックリンに移り、小学校を中退して、医師の使い走り、給仕、印刷工、新聞の編集員などになりましたが、その間に聖書、古典やシェークスピアの作品群を勉強していました。 1841年から新聞記者となり、民主党系のいくつかの新聞の編集にたずさわり,党内の保守層と対立し、左派の結成した自由土地派に加わりましたが、やがて政治の世界に幻滅してしまいます。そんな想いの中、ニューヨークの民衆とのふれあいの中で、民主主義に対しての信頼を深めていきました。 彼は、詩を作る一方で、新聞紙上に奴隷廃止論も書いています。又、奴隷解放のための南北戦争が起こると看護兵として出征し、その体験から「軍鼓の響き」を書いています。 彼の代表作は「草の葉」で1855年第1版を自費出版しましたが、これまでの詩のような一定の形式にとらわれず、自由な形式と自然のリズムにより、個人の尊厳や自我主義を強くうたいあげています。 アメリカが生んだ最初の民衆詩人でした。また、散文「民主主義展望」もアメリカヒューマニズムの古典となっています。 |
永遠にめぐりくる春よ、三つの宝をあなたは忘れずに届けてくれる。 年ごとに蘇えるライラックの花と、西空に沈むあの星と、 そして愛する人の想い出を。 ウォルト・ホイットマン 「草の葉」 |
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それは土地ある所、水ある所ならどこにでも生える草。それは地球を包む、普遍の空気。 ウォルト・ホイットマン 「草の葉」より |
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君のためにその道を旅することができるものは 私ではないし、他の誰でもない 君が君自身のために その道を旅せねばならない それは遠くではなく それは行き着くことができる範囲のなかにある きっと君は生まれたときからずっと その上にいたのだけれども、 それを知らなかっただけなのだ ウォル・ホイットマン「草の葉」より |
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