5月


23日
カール・フォン・リンネ(Carl von linne)(1707〜1778)スウェーデン 博物学者

牧師の子として、ラシュルトで生まれました。幼時より花を好み、「小さな植物学者」と呼ばれるほどでした。幼いころから、牧師になるように勉強していましたが、ルンド大学、ウプサラ大学で医学を学び、植物愛好家の父の影響で生物学も勉強していました。

一時は医師として開業しましたが、ウプサラ大学で植物学者 O.セルシウスと出会ったことが彼の将来を決定しました。1730年、同大学植物学講師となり、スウェーデン各地を旅行し、植物採集をして、自分の庭で生息地別に分類し、多くの学生に講議を行いました。1732年にラップランドを探検。1737年に出版した『ラップランド植物誌』が好評を博して、彼は一躍有名になりました。

これより前に(1735年)「自然の体系」を著わし、動物、植物、鉱物に関する分類体系を築きました。彼は花粉が雌しべについて種子ができる植物の生殖法に注目し、雄しべ、雌しべの数の差異といった形態を基準に種、属、目、綱に分類するという分類学の基本的な体系を考え出しました。

彼によって始められたこの植物分類の方法は、動物分類にも転用され、やがて博物学の対象とするものすべてに取り入れられるようになり、彼は分類学の父とも言われるようになりました。

1753年『植物の種』を出版。「自然の体系」「植物の属」(1737年初版)と合せて、二名法を確立しました。
*二名法とは?
生物に対する世界共通の学問上の名称を学名と言う。
学名は万国命名規約にもとずいてつけられる。用語は特別な場合を除いてラテン語またはラテン化したギリシャ語に限られ、リンネの「植物の種」および「自然の系統」を基準および出発点にしている。属以上の群(門・綱、目、科など)の名はすべて一語であらわし(単名法という)、必ず大文字で書き起こす。種を表す名は、属の名の次に種の名を並べるので二名法と呼ばれる。
例 セイヨウタンポポ
タンポポのグループ名は Taraxacum タラクサクム 苦いもの。これが属名です。そして、次にくることばが officinale オフフィキナーレ 薬用にする。これが種小名です。だから、セイヨウタンポポの種名は、「タラクサクム オフフィキナーレ 薬用にする苦いもの」というわけです。
リンネは♂、♀の記号を考えた学者です。
♂と♀の由来は、1737年に出版された彼の著書「植物の属」に用いられたのが最初であるようだ。後世の人々にリンネ記号と呼ばれるようになった同書の7つの記号の第五番目が雄の個体をあらわす♂、7番目が雌の個体をあらわす♀である。♂はローマ神話の軍神マルスおよび金属の鉄の記号であり、♀はギリシャ神話の美の女神ビーナスおよび金属の銅の記号であった。
公園や広場などの花壇に時計を据えたものを花時計といいます。18世紀スウェーデンの博物学者リンネは正真正銘の花時計を考案しました。これはほぼ一定時刻に花が開いたりしぼんだりする植物を寄せ植えし、それらのようすから現在時刻を知ろうというもの。正午に咲く花としてはトケイソウ(時計草)が選ばれています。

5月


23日
オットー・リリエンタール( Otto Lilienthal)

(1848〜1896)

「誰かが犠牲を払わなくてはならないのだ」

ドイツ航空界のパイオニア

旧東ドイツのメクレンブルクフォアポンメルン州のアンクラムに生まれました。彼は子供の頃から、弟グスタフと一緒に、鳥の飛翔を観察し、二人で鳥の飛び方の研究に取り組みました。

蒸気機関による飛行機には失敗しましたが、当時、ポツダム近郊に住んでいた彼は自宅の前に高さ15メートルほどの人工の丘をつくり、グライダーの試作をしては駆けおり滑空実験を繰り返しました。

そうして、試行錯誤を繰り返しながら、緩やかに弧を描いた曲面の翼の方が空気抵抗が少なく、より重いものを浮かび上がらせる揚力が強いことを発見し、1877年鳥に似た凸面の翼をつけた固定翼のグライダーを造り、平滑翼よりも凸面翼の方がすぐれていることを立証したのです。

その後も、改良を続けた結果、1891年の夏。彼が作ったメーベ(カモメ)と名づけたグライダーは、彼を乗せて80メートルもの距離を飛んだのでした。

彼は生涯に18機種のグライダーで2000回以上もテスト飛行しました。こうした研究と経験の積み重ねにより、グライダーの安定性と操縦性は少しずつ向上し、うまく風に乗れば出発点より高く上昇することも、360度の旋回も可能になりました。

しかし1896年の8月9日テスト飛行中、突風にあおられ姿勢を崩したグライダーが地面に激突、翌日息を引き取ったのでした。ライト兄弟が飛行機の開発を具体的に意識したのは、リリエンタールの事故死を新聞で知ったときだったといわれています。


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